「黙示1-5章」 『新約聖書 インスティテュート教師用手引き』(2025年)
The Figure of Christ,ハインリッヒ・ホフマン画
黙示1-5章
パトモス島にいたとき,使徒ヨハネはイエス・キリストから啓示を受けました。救い主は御自分の力と永遠の使命について教えるために象徴を用いられました。主はヨハネに,教会の7つの支部に勧告を与え,彼らを正すよう命じられました。ヨハネは父なる神が天の御座に着いておられ,高く上げられた生き物たちが神を礼拝している様子を見ました。神は7つの封印が施された巻物を手に持っておられ,開くのにふさわしいのはイエス・キリストだけです。
その他のリソース
『聖文ヘルプ:新約聖書』「黙示1-5章」
注:「コースの紹介」では,この後に続く4つの標準的なレッスン要素の活用方法に関する指針が示されています。
個人学習を促す
クラスの前に,以下のメッセージのうち一つまたは複数,あるいはあなた自身が考えたメッセージを生徒に送るとよいでしょう。
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主はしばしば象徴を使って,御自身と御自身の福音についてお教えになります。黙示録は力強い象徴で満ちています。黙示1章を研究するとどのような象徴が見つかるか,またそれがイエス・キリストについて何を教えているかに注意を払ってください。ジョセフ・スミス訳黙示1:1-8(「福音ライブラリー」)は象徴的な意味を幾つか明確にしています。
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人生の課題や誘惑に圧倒されそうになったときのことを考えてみましょう。黙示2-3章を研究しながら,世の罪と苦難に忠実に打ち勝つ人々に対する主の約束を見つけてください。約束された祝福のうち,あなたがいちばん心待ちにしているのは何ですか。
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イエス・キリストがどのような御方かがさらに分かると,主に対する愛と畏敬の念が増します。黙示4-5章を読みながら,救い主に対してより大きな愛と畏敬の念を感じる助けとなる事柄を学んで注意を払いましょう。
質問し,分かち合う
黙示1-5章に関して,生徒が質問したり,個人的に学習して見つけた洞察や真理を分かち合ったりする時間を設けてください。
スキルトレーニング
黙示録は象徴に満ちているので,『聖文研究のスキル』の「聖文の象徴を理解する」のスキルを活用するとよいでしょう。
学習活動のオプション
あなたと生徒のために,複数の学習オプションが用意されています。あなたのクラスにとって最も意義深いと思われる選択肢を一つ以上,祈りをもって選んでください。
教えと学びを改善する
『聖文ヘルプ』を活用する。準備するに当たり『聖文ヘルプ』の資料を注意深く研究してください。教義を明確にしたり,生徒の質問に助けとなったり,レッスンのアイデアを思いついたりするのに役立ちます。生徒に,クラスの準備として『聖文ヘルプ』を活用するよう勧めてもよいでしょう。あくまでも聖文研究を強化するためにこれらの補助資料を使うように勧めましょう。こうした資料は聖文研究に取って代わるものではありません。
黙示録の象徴からイエス・キリストについてどのようなことを学べるか
ホワイトボードに象徴という言葉を書くとよいでしょう。主は御自身がどのような御方かをわたしたちがよりよく理解できるように,またわたしたちに福音について教えるために,聖文で頻繁に象徴をお使いになっていることを説明します。二人一組になって次の質問について話し合うよう促すとよいでしょう。
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聖文で述べられている象徴としてどのようなものを思いつきますか。
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それらの象徴は,イエス・キリストとその福音についてどのようなことを教えていますか。
黙示録には象徴が豊かに記されていることを指摘します。黙示録は使徒ヨハネによって書かれたことを説明すると役に立つかもしれません。イエス・キリストについて,また天の御父の救いの計画における主の役割,主の再臨に至るまでの出来事,福千年の主の統治について,ヨハネは自分に明らかにされた真理をこの書に記録しました。(詳しい背景は,『聖文ヘルプ:新約聖書』の「黙示録はだれに向けて,なぜ書かれたか」を参照してください。)
この学習活動で生徒は黙示1章に見られる象徴から学びます。この活動の準備として『聖文研究のスキル』の「聖文の象徴を理解する」にある3つのヒントを生徒に紹介するとよいでしょう。
以下の指示を見せてください。生徒に,象徴的な意味を理解するヒントを活用し,学習する中で霊的な導きを求めるように勧めます。
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黙示1:3-6,9-20(ジョセフ・スミス訳黙示1:1-8〔「福音ライブラリー」〕を含む)を研究しましょう。
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これらの聖句の意味と象徴をさらに理解できるよう,『聖文ヘルプ:新約聖書』の「黙示1-5章」にあるリソースを活用してください。
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以下を発表する準備をしてください。
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見つけた象徴
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イエス・キリストについて,またあなたと主との関係,神の計画における主の役割について,この象徴が教えていること
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二人一組か少人数のグループになって見つけたことを分かち合う時間を取ります。その後,次のような質問をして,数人の生徒に洞察をクラスで発表するよう勧めます。
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研究した象徴からイエス・キリストについてどのような真理を学びましたか。(生徒が発表するであろう多くの真理には以下のような例が含まれます:イエス・キリストを通してわたしたちは罪から清められる〔黙示1:5参照〕。イエス・キリストは忠実に従う者を見守り養ってくださる〔黙示1:13,20参照〕。イエス・キリストは死と地獄に打ち勝つ力をお持ちの,栄光に満ちた復活された御方であられる〔黙示1:17-18参照〕。)
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救い主についてのこうした真理を覚えておくことで,あなたにどのような影響がありますか。
黙示録の研究において象徴を理解する努力を続けるよう生徒を励ましましょう。今後のレッスンで,見つけた象徴から学んだことを分かち合うよう促すことで,フォローアップすることができます。
世に打ち勝つ努力をすることに価値があるのはなぜか
ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉について話し合い,この学習活動を始めるとよいでしょう。
「わたしたちが今,世界史上最も複雑な時代に生きていることは確かです。多くの人が,複雑な問題や試練に押しつぶされそうになり,疲れ果ててしまっています。」(「世に打ち勝ちなさい。そうすれば,休みが与えられるであろう」『リアホナ』2022年11月号,95)
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人を圧倒するまたは疲れ果てさせる人生の複雑さや課題にはどのようなものがあるでしょうか。(ホワイトボードに生徒の答えを書くとよいでしょう。)
ヨハネが黙示録で語りかけた聖徒たちもまた,困難な時代に生きていたことを説明します。彼らは厳しい迫害や教会内部からの背教など,多くの困難に直面しました。救い主はヨハネを通して勧告と励ましの言葉を与えられました。生徒に,生活で直面している具体的な課題について考えてもらいます。研究しながら,困難に打ち勝つことについて聖霊が教えてくださることに注意を払うよう勧めます。
以下の聖句を掲示し,それぞれはヨハネが黙示録で述べた教会の7つの支部のうち,特定の支部に対するメッセージであることを説明します。
学習する聖句を一つ以上選ぶよう促します。難しい語句を理解する助けとして,『聖文ヘルプ:新約聖書』の「黙示1-5章」を活用するよう勧めるとよいでしょう。以下の質問について答えを発表する準備をするよう促します。
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これらの節には,打ち勝つ必要のあるどのような困難について述べられていますか。
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聖徒たちへの主の教えから,主についてどのようなことが分かりますか。
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困難に打ち勝つ人々に対して主はどのような祝福を約束されましたか。
二人一組か少人数のグループになって答えを話し合うよう促します。生徒が話し合いを終えたら,聖徒たちへの一連の勧告の一つ一つには,勝利を得る者に対する主の約束が含まれていることを指摘します。必要に応じて,黙示2:7,11,17,26-28;3:5,12,21にある勧告を振り返るよう勧めましょう。または,ニール・L・アンダーセン長老の次の言葉を紹介するとよいでしょう。
「主が世に打ち勝った人々に約束された祝福は,息を飲むほどすばらしいものです。『白い衣を着せられ……〔その名を〕いのちの書〔に〕』記されるのです。主は『〔御父〕と御使たちの前で,その名を言いあらわ〔されます〕。』〔黙示3:5〕一人一人が『第一の復活にあずか〔り〕』〔教義と聖約76:64〕,永遠の命を受けて,神の御前から『決して二度と外へ出ることはない』〔黙示3:12〕のです。」(「世に打ち勝つ 」『リアホナ』2017年5月号,58-59)
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この世,そしてそれに伴う困難に打ち勝とうと努力する人々に主が約束しておられる祝福を,あなたならどのように要約しますか。(生徒は次のような真理を見つけるかもしれません:わたしたちが世の邪悪に打ち勝つなら,救い主は昇栄の祝福を授けてくださる。)
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救い主が約束された祝福を覚えておくことは,困難に打ち勝つうえでどのような助けとなるでしょうか。
ヨハネ16:32-33とラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を読むとよいでしょう。世に打ち勝とうとするときに,これらの教えがどのように希望を与えてくれるかを話し合うよう促します。
「イエス・キリストがこの堕落した世に打ち勝ち,一人一人を贖ってくださったので,皆さんもこの罪に満ちた,利己的な,人を疲弊させることの多いこの世に打ち勝つことができ〔ます〕。……
世に打ち勝つというのは,一朝一夕で成し得ることではありません。キリストの教義に繰り返し従いながら,生涯にわたって行っていくことなのです。……
人は,イエス・キリストのより高い律法に従って生活しようと努力していると,心と性質そのものが変わり始めます。救い主は,さらなる慈愛や謙遜さ,寛大さ,優しさ,自制心,平安,休みを祝福として与えることによって,わたしたちをこの堕落した世に引きずり込もうとする力から引き上げてくださいます。(「世に打ち勝ちなさい。そうすれば,休みが与えられるであろう」『リアホナ』2022年11月号,96,97)
この世とこの世での困難に打ち勝つために,イエス・キリストによってどのように強められるのを感じてきましたか。
主が御自身の助けによって打ち勝ってほしいと望んでおられるであろうことについて,よく祈って考えるよう促します。そうした困難に打ち勝つうえで神の助けを求めるために何をするかを決めるよう生徒に勧めます。
イエス・キリストについてさらに理解することで,主に対する愛と畏敬の念をどのように増すことができるか
このレッスンの冒頭にあるようなイエス・キリストの画像を見せます。救い主についてあまり知らない友人と話している場面を想像するよう促します。その友人はこう尋ねます。「イエスはあなたやわたしのような普通の人と何が違うの。」
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あなたはその友人にどのように答えますか。
使徒ヨハネが見た示現は,わたしたちがイエス・キリストの力と偉大さを理解する助けとなることを説明します。この章を研究するとき,救い主への愛と畏敬の念をより強く感じる助けとして,聖霊から来る気持ちを理解し受け入れるように励ましましょう。
この示現を生徒に紹介するため,ヨハネが天の御座に着いておられる父なる神を見たことを説明します。御座の周りには,栄光に満ちた様々な人や獣が主を賛美し,礼拝していました。(黙示4:1-11参照。生徒がこれらの節の象徴を理解できるように,『聖文ヘルプ:新約聖書』の「黙示1-5章」を参照するように言うとよいでしょう。生徒は教義と聖約77:1-5を研究することもできます。)
黙示4:8-11を読み,天の御父の周りに集まった生き物が,何を言い,何をしたかを見つけるよう促します。
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これらの言動について,あなたにとって何が印象に残りますか。それはなぜですか。
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長老たちが天の御父の御座の前に冠を投げ出したことは何を表すと思いますか。(次のような答えが考えられます:長老たちが天の御父の偉大さを認めている;自分たちの昇栄は御父のおかげであると認め感謝している;御父に対する畏敬の念,敬愛,従順な献身。)
生徒に,黙示5:1-14を研究してこの示現でイエス・キリストが果たされた重要な役割を見つけるよう促します。これらの節には多くの象徴が含まれていることを指摘します。象徴の幾つかを理解する助けとして,『聖文ヘルプ:新約聖書』の「黙示1-5章」を活用するよう勧めます。(教師としてもこの『聖文ヘルプ』セクションの内容をよく理解しておくと,生徒の洞察や質問について話し合う準備ができるでしょう。)
黙示5章から得た洞察を発表するよう促します。必要に応じて次のような質問をするとよいでしょう。
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これらの節を研究しながら,イエス・キリストについて何を学び,何を感じましたか。(答えながら生徒は次のような真理を見つけるでしょう:イエス・キリストは贖罪の犠牲を通してわたしたちを贖ってくださった。)
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イエス・キリストがわたしたちを贖うふさわしさと能力を持つ唯一の御方であられるのはなぜでしょうか。
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天の御父とイエス・キリストに対する心からの愛と感謝を抱くことは,あなたが下す決断にどのような影響があるでしょうか。
この学習活動の初めに登場したシナリオを思い出してもらいます。友人に分かち合えば,天の御父の救いの計画においてイエス・キリストが果たされる重要な役割を理解する助けとなるような聖句を,ほかにも見つけるよう勧めます。生徒は自分で聖句を見つけることも,次の聖句を幾つか研究することもできます:ヨハネ14:6;モーサヤ3:17;15:1;教義と聖約19:16-19;38:1-3。
生徒が研究を終えたら,二人一組か少人数のグループで,見つけたことを分かち合う機会を設けます。.自分が選んだ聖句が大切だと感じる理由を説明するよう促します。あるいは,シナリオの友人に対する答えを書く時間を取ってもよいでしょう。その後,二人一組か少人数のグループで答えを分かち合うこともできます。
数人の生徒を募って,クラスの皆にイエス・キリストについて証するよう促してもよいでしょうレッスンのまとめとして,あなたも同様に証するとよいでしょう。