聖文コース
ピリピ,コロサイ


「ピリピ,コロサイ」 『新約聖書 インスティテュート教師用手引き』(2025年)

白い衣から伸びた手

ピリピ,コロサイ

ローマで投獄されている間,パウロはピリピとコロサイの聖徒たちに手紙を書きました。この2通の手紙は一貫して前向きで楽観的です。イエス・キリストに関するパウロの最も明確で熱意のこもった教えも含まれています。パウロは,もしわたしたちが信仰と感謝をもって生活するなら,主はわたしたちを通して福音の大義を推し進められると教えました。イエス・キリストという土台に立つことによって,この世的な哲学や言い伝えに惑わされるのを避けることができます。

その他のリソース

『聖文ヘルプ:新約聖書』ピリピ,コロサイ

注:コースの紹介」では,以下に続く4つの標準的なレッスン要素の活用方法に関する指針が提供されています。

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個人学習を促す

クラスの前に,以下のメッセージのうち一つまたは幾つかを,あるいはあなた自身が考えたメッセージを生徒に送るとよいでしょう。

  • 最近,主のために何かをしようとしたとき,どのような反対に遭いましたか。ピリピ1:12-14,19-26を読み,反対に遭ったときのパウロの態度が主の業にどのように影響したかを学びましょう。

  • あなたは最近,主のためにどのような犠牲を払いましたか。ピリピ3:4-15を読み,あなたの霊的な進歩にとって犠牲がなぜそれほど重要なのかを考えてください。

  • あなたの知っている人で,イエス・キリストを信じる確固とした信仰を持っている人のことを考えてください。その人のどのようなところに感心しますか。ピリピ4:1,4-13を読み,あなたがイエス・キリストに「堅く立〔つ〕」(1節)ための助けとなる方法を見つけてください。

  • 今日の世の中で,あなたを救い主から遠ざけかねない哲学や教えにはどのようなものがありますか。コロサイ1-2章3:1-17を読み,偽りの教えからあなたを守ってくれるイエス・キリストについての真理を見つけてください。

話し合いアイコン
質問し,分かち合う

ピリピ人への手紙とコロサイ人への手紙に関し,生徒が質問したり,個人的に学習して見つけた洞察や真理を分かち合ったりする時間を設けてください。

スキルトレーニングアイコン
スキルトレーニング

ピリピ4:4-13は,『聖文研究のスキル』の「聖文を理解するために教会指導者の教えを活用する」スキルを使うのに役立つかもしれません。

学習活動のオプションアイコン
学習活動のオプション

あなたと生徒のために,複数の学習オプションが用意されています。あなたのクラスにとって最も意義深いと思われる選択肢を一つ以上,祈りをもって選んでください。

ピリピ1:12-14;19-26

反対に遭ったときの自分の態度は,主の業にどのような影響を及ぼすか

まず,主の業を行おうと努める中で反対に遭ったときの経験を話すよう招くとよいでしょう。

  • 反対に遭ったとき,あなたの態度は主の業にどのような影響を及ぼすでしょうか。

次の写真を見せて,パウロがピリピ人への手紙を書いたのは,恐らくローマで獄中にいたときであることを説明するとよいでしょう(ピリピ1:7,13,16参照)。

獄中の使徒パウロ

ピリピ1:12-14,19-26を読んで,反対に遭いながらも主の業を行うことについて,パウロから学べることを見つけるよう招きます。次のような質問をするとよいでしょう。

  • パウロの投獄は,救い主の福音が広まるうえでどのような影響がありましたか。

  • 投獄されたことへのパウロの態度は,主の業を進めるうえでどのように助けになったと思いますか。(生徒は次のような真理を挙げるかもしれません:信仰と希望,感謝をもって生きるなら,主はわたしたちを通して福音の大義を推し進められる。

  • 反対に遭いながらも,だれかの信仰,希望,感謝が主の業を進める助けとなったのを見たのはいつでしたか。

以下のシナリオや自分で考えたシナリオを一つ,または幾つか紹介するとよいでしょう。それぞれのシナリオで,どのようにすれば信仰と希望と感謝をもって救い主の業を進めることができるか,考えるよう招きます。

友人が教会指導者を否定する内容の動画を送ってきました。

あなたは伝道に出たいのですが,教会員ではない両親の反対に直面しています。

あなたが宣教師として奉仕している地域では,教会に対して強い反発があります。

これからの1週間に起こり得る,信仰,希望,感謝をもって反対に向き合う状況について考える時間を取ります。十分な時間を取った後,1週間を通してパウロの模範に従うよう勧めます。

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ピリピ3:4-15

イエス・キリストのためにどのような犠牲を払う必要があるか

ディーター・F・ウークトドルフ長老による犠牲の定義をホワイトボードに書きます。

ディーター・F・ウークトドルフ長老

犠牲とは,より価値あるもののために何かを諦めることを意味します。」(「心からのすべて『リアホナ』2022年5月号,124)

以下の質問を見せ,生徒が深く思い巡らせて考えを書き留める時間を取ります。

  • 最近,より価値のあるもののために何かを諦めるように求められたのはいつでしたか。より価値のあるものとは何でしたか。それだけの価値があったように思いますか。主のために犠牲を払うことについて,あなたはどのような考え,気持ち,または懸念を持っていますか。

パウロは犠牲に関してわたしたちが抱く疑問や懸念に対処するための原則を教えたことを説明します。ピリピ3:4-15を読み,犠牲についてパウロが教えた事柄を見つけてください。(なお,12節の「捕らえ〔る〕」はつかむことを意味し12節の「追い求め」は目的達成のために力強く進むことを意味することを説明するとよいかもしれません。)

  • パウロは,人生でイエス・キリストの福音を得るために何を犠牲にしましたか。

  • 救い主に従うために犠牲を払う人々に対し,救い主が授けられる「賞与」(14節)とは何でしょうか。

  • これらの節から,犠牲についてどのような原則を学べますか。(生徒は次のような真理を見つけるかもしれません:イエス・キリストに従うために進んで犠牲を払うとき,主を知り,永遠の命を受ける備えをする。

犠牲に関するウークトドルフ長老の言葉の続きを一緒に読みます。

ディーター・F・ウークトドルフ長老

犠牲とは,より価値あるもののために何かを諦めることを意味します。……歴史を通じて,忠実な聖徒たちは個人の望みや快適さ,そして命さえも,救い主のために犠牲にしてきました。

だれもがイエス・キリストにさらに完全に従うために,大小様々な犠牲を払う必要があります。犠牲は,その人の真の価値観を表します。犠牲は神聖であり,主に尊ばれます。」(「心からのすべて『リアホナ』2022年5月号,124)

  • あなたやあなたの家族,友人がイエス・キリストに従うために犠牲にしたものには,どのようなものがありますか。

  • 救い主のためにこれらの犠牲を払うことで,どのような祝福がもたらされましたか。

次の文を見せて空欄を埋めるよう伝え,受けた印象に従って行動するように招きます。

  • わたしが最も主にささげる必要がある犠牲は……

  • わたしは……することでこの犠牲をささげることができます。

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ピリピ4:1,4-13

主にあって「堅く立つ」ために,どのようなことができるか

ホワイトボードに次の聖句を書き,生徒にこれらを調べて共通のテーマを見つけるよう招きます。

1コリント16:13-14ガラテヤ5:1ピリピ1:274:1

  • 主にあって「堅く立つ」とはどのような意味だと思いますか。

ウリセス・ソアレス長老の次の言葉を読むとよいでしょう。

ウリセス・ソアレス長老

「あらゆる思いの中でキリストを求め,心を尽くして主に従うためには,思いと望みを主の御心と一致させなければなりません。聖文ではこの一致を『主にあって堅く立〔つ〕』〔ピリピ4:1〕と言っています。これは,常にキリストの福音と調和した生活を送り,日々あらゆる善いものに着目するということを意味しています。」(「あらゆる思いの中でキリストを求める『リアホナ』2020年11月号,83-84)

  • ヤングアダルトにとって,主にあって堅く立つことを難しくするものは何でしょうか。

ピリピ4:4-13を読んで,だれかが堅く立つ,または主と一致するために助けとなる原則を見つけるよう招きます。その後,次の指示を表示します。

  • ピリピ4:4-13から,あなたにとって最も関心のある原則を選んでください。

  • その原則が,だれかが主にあって堅く立つうえでどのように助けになるかについて,短いメッセージ(3分程度)を準備します。

    • 裏付けとなる聖句や教会指導者の言葉を見つけてメッセージに使います。

    • これを生活にどのように応用できるかについて,聖文の例や個人の経験を分かち合ってください。

教えと学びを改善する

生徒が教え証する機会を設けましょう。このコースの目標の一つは,生徒が聖文で発見したことを分かち合う機会を提供することです。生徒は福音の真理を分かち合うとき学習に積極的に参加するようになり,教える事柄について証を述べるとき,聖霊の改心の力を生活に招きます。

生徒がメッセージを準備する時間を取った後,二人一組になって順番にメッセージを分かち合ってもらいます。自分が教えていることについて証を述べるよう勧めます。

最後に,パートナーのメッセージから学んだことを紹介するよう,数人の生徒に招きとよいでしょう。教えた原則から学んだことに基づいて行動するように招きます。

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コロサイ1-23:1-17

誤った教えから身を守るために何をしたらよいか

地面から引き抜かれた植物の写真を生徒に見せるとよいでしょう。イエス・キリストと主の教会を信じる信仰の「根を絶やしてしまった」ように思われる人を知っているかどうか,考えるように言います。(注:一部の生徒は自分自身がそれに該当するように感じるかもしれないことに留意してください。)

  • あなたから見て,人が信仰の根を絶やしてしまう要因となり得るものは何でしょうか。

コロサイ人への手紙の中で,パウロはコロサイの聖徒たちの霊的な根や土台について心配していたことを説明します。教会員は偽りの教えや慣習にさらされていました(コロサイ2:4,8,16,18,20-23参照)。聖徒の中には,こうした偽りの教えを受け入れるおそれのある人たちがいました。

生徒に,コロサイ1:21-232:6-7から,霊的に深く根を下ろしていることを示す言葉を見つけてホワイトボードに書いてもらいます。(例えば,「ゆるぐことがな〔い〕」「しっかりと……ふみとどまり」「根ざし」「建てられ」「確立され」など。)次に,次の真理をホワイトボードに書きます:イエス・キリストに揺るぐことなく根ざすことによって,偽りの教えに惑わされるのを避けることができる。

生徒を少なくとも4つに分け,各グループに以下の聖句ブロックの一つを割り当てます。だれかがイエス・キリストに根ざす助けとなる真理に印を付けるか,その真理を書き留めるよう招きます。

以下の質問を見せて,一つまたは幾つかの質問をグループで話し合うよう招くとよいでしょう。

  • これらの節の中で,イエス・キリストに揺るぐことなく根ざしている,とあなたが感じる助けとなる真理にはどのようなものがあるでしょうか。

  • これらの真理は,あなたが偽りの教えに欺かれないようにするうえで,どのように助けとなるでしょうか。

  • これらの聖句にある真理についてのあなたの証は,偽りの教えに直面したときに忠実であり続けるうえでどのような助けとなってきましたか。

グループで話し合う時間を取った後,何人かの生徒に以下のことを一つまたは幾つか行ってもらうとよいでしょう。

  • 今日話し合った真理で,イエス・キリストにさらに根ざしているとあなたが感じる助けとなる真理について説明してください。

  • イエス・キリストを信じる信仰と証のおかげで,偽りの教えに惑わされずに済んだときのことを説明してください。

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