「マタイ1章;ルカ1章」新約聖書 インスティテュート教師用手引き
The Annunciation(「受胎告知」), by John Scott
マタイ1章;ルカ1章
天使ガブリエルはザカリヤに現れ,バプテスマのヨハネの誕生を告げました。また,ガブリエルはマリヤにも姿を現し,彼女が神の御子の母となることを宣言しました。マリヤと婚約していたヨセフは,夢の中で,彼女が救い主となる息子を産むことを知ります。この息子は,イエスと名付けられることになっていました。
その他のリソース
Scripture Helps: New Testament(「聖文ヘルプ:新約聖書」)の“Matthew 1; Luke 1”(「マタイ1章;ルカ1章」)
“Introduction to the Course”(「コースの紹介」)では,以下に続く4つの標準的なレッスン要素の活用方法に関する指針が提供されています。
個人学習を促す
クラスの前に,生徒に向けて,以下に挙げられているメッセージを一つまたは複数送るか,あなた自身のメッセージを送ることを検討してください。
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イエスの降誕に関して,マリヤ(ルカ1:31-35参照)とヨセフ(マタイ1:20-23参照)に教えられた真理は,主の「救い主」としての役割に対する証をどのように強めてくれるでしょうか。これらの真理は,さらにキリストを中心としたクリスマスを迎えるうえで,どのような助けとなるでしょうか。
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ルカ1:39-55にあるエリサベツとマリヤの証を読み,救い主に対するあなたの証が,ほかの人にどのような影響をもたらす可能性があるのか考えてみましょう。
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あなたがこれまでに直面した,あるいは現在直面している困難は何ですか。マタイ1:18-25とルカ1:26-38を読み,困難な物事を行うことについて,ヨセフとマリヤから学べることを見つけてください。
質問し,分かち合う
スキルトレーニング
ルカ1:28-35とマタイ1:20-25は,『聖文研究のスキル』にある「聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる」のスキルを活用するのに有益な箇所でしょう。
学習活動のオプション
あなたと生徒のために,複数の学習オプションが用意されています。あなたのクラスにとって最も意義深いと思われる選択肢(一つまたは複数)を,祈りをもって選んでください。
教え方と学び方を改善する
救い主に焦点を当てる。「何を教えていようと,実際にはイエス・キリストについて教え,イエス・キリストのようになる方法について教えているのだということを忘れないでください。聖霊はそれぞれの福音の原則,戒め,預言者の教えの中にある,救い主とその贖いの力についての真理を理解できるように助けてくださいます(モルモン書ヤコブ7:10-11参照)。」(『救い主の方法で教える』)
わたしはキリストを受け入れる準備ができているだろうか
生徒に,それぞれの家庭や文化においてクリスマスをどのように祝っているか考えてもらいます。それから,「クリスマスの準備は整っていますか?」というよくある質問を,これまでに聞いたことがあるか尋ねてみましょう。デビッド・A・ベドナー長老は,別の質問をするように提案したことを強調します:「あなたとわたしは,キリストを受け入れる準備ができていますか?」(see “Elder Bednar’s Teachings Help Us Find the Savior in Christmas Symbols,” Dec. 20, 2022, newsroom.ChurchofJesusChrist.org)
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ベドナー長老の問いかけについて深く考えることは,あなたがさらにキリストを中心とした人物になるうえでどのような助けとなるでしょうか。クリスマスの時季をよりキリストを中心としたものにするうえで,この質問はどのような助けとなるでしょうか。
天使ガブリエルがマリヤに現れ,彼女が神の御子の母となると告げたことを説明します。マリヤが身ごもった後,一人の天使が夢の中でヨセフに現れ,マリヤが宿している子供は「聖霊による」ものだと伝えました(マタイ1:20)。こうした経験から,マリヤとヨセフはイエス・キリストの降誕に関して重要な真理を学びました。これらの真理は,彼らが「キリストを受け入れる準備を整える」助けとなりました。生徒がこれらの真理を見いだしやすいように,以下のような空所を補充する文をホワイトボードに書くとよいでしょう。
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イエス・キリストは……です |
イエス・キリストは……されます |
生徒を少人数のグループに分け,ルカ1:28-35とマタイ1:20-25から,ホワイトボードに書かれている文の空欄に入る言葉探してもらいます。次に,空欄に入る言葉を生徒に記録してもらうとよいでしょう。イエス・キリストの呼び名,称号,役割を見つけるよう,生徒を促します(『聖文研究のスキル』の「聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる」を参照)。
生徒が空欄に入る言葉を記録し終えたら,自分が見つけたことをグループ内で分かち合ってもらいます。次のような文章が挙げられるでしょう:イエス・キリストは神の御子です。イエス・キリストは,死すべき肉体を持つ母親の息子です。イエス・キリストはヤコブの家を永遠に統治されます。イエス・キリストは御自分の民を罪から救われます。イエス・キリスト(インマヌエル)はわたしたちとともにいてくださいます。
グループ内で一つの文を選んでもらい,救い主に関するこの真理を知ることは,(1)主の神聖な使命に対する理解を深め,(2)主を信じる信仰を強めるうえでどのような助けとなるかを話し合ってもらいます。
以下のような質問をして,この活動を締めくくるとよいでしょう。
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これらの真理を知ることは,マリヤとヨセフが「キリストを受け入れる準備を整える」うえでどのような助けになったと思いますか。
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クリスマスはもちろん,一年を通して「キリストを受け入れる準備を整える」ことを心に留めておくためには,どうしたらよいでしょうか。
注:イエス・キリストが唯一無二の親子関係を有していたことの重要性について,生徒が話し合いを希望する場合, Scripture Helps: New Testament(「聖文ヘルプ:新約聖書」)の“Luke 1:31–35.Why did Jesus need to have a mortal mother and an immortal Father?”(「ルカ1:31-35。イエスが死すべき肉体を持つ母親と不死不滅の父親を持つ必要があったのはなぜか」)および“Matthew 1:20.What do we know about the conception of Jesus Christ?”(「マタイ1:20。イエス・キリストの受胎について,わたしたちが知っていること」)をともに復習するとよいでしょう。
イエス・キリストの証に耳を傾け,分かち合うことによって,わたしたちはどのような祝福を受けるだろうか
生徒に,以下のような自己評価をしてもらうことを検討してください。記録した内容がほかの人に共有されることはないことを伝えておきます。
以下の画像を見せてください。この画像では,マリヤがいとこのエリサベツを訪れる様子が描写されていることを説明します。マリヤは天使ガブリエルから,自分が神の御子の母となることを知らされたばかりでした(ルカ1:26-38参照)。このとき,エリサベツはバプテスマのヨハネを妊娠して6か月を迎えていました(ルカ1:36参照)。
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彼女たちは救い主について,わたしたちに何を教えてくれるでしょうか。
このすばらしい女性たちから学ぶため,何人かの生徒にルカ1:39-45にあるエリサベツの言葉を読んでもらい,他の生徒にはルカ1:46-55にあるマリヤの言葉を読んでもらいましょう。あるいは,「ともに喜ぶマリヤとエリサベツ」(タイムコード1:13-5:06)を視聴することもできます。
次の質問の中から一つ,あるいは幾つかを尋ねるとよいでしょう。
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エリサベツとマリヤの証を学ぶ中で,彼女たちについてどのような考えや気持ちを抱きましたか。
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彼女たちの証から,救い主について何を学ぶことができるでしょうか。証を分かち合う際,救い主に焦点を当てることで,どのような違いがもたらされますか。(イエス・キリストを教え,証することによって,わたしたちはほかの人々を強めているということを理解できるように生徒を助けましょう。)
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救い主に対するだれかの証から,あなたはどのような影響を受けてきましたか。
ニール・L・アンダーセン長老の次の言葉をともに読み,話し合うとよいでしょう。
「周りの人たちと,もっとオープンに,もっと積極的にキリストのことを話しましょう。……
キリストを信じていることを,ソーシャルメディアでもっとオープンに伝えてください。……
ときに,同じキリスト教徒の中には,この教会の信条や動機に対して不確かな気持ちを抱いている人がいます。同じキリストと,皆の愛読書である新約聖書を信じていることを,彼らとともに純粋に喜びましょう。……
イエス・キリストについて語られることが少なくなっている世界で,キリストについて大いに語ろうではありませんか。イエスの弟子としてのわたしたちのほんとうの人格が分かってくると,周囲の多くは話を聞きたがるでしょう。」(「キリストのことを話す」『リアホナ』2020年11月号,90)
少しの時間を設け,生徒に次の質問について深く考えてもらいましょう:救い主に対するあなたの証を聞く必要があるのはだれだろうか。
イエス・キリストに対する証を分かち合うことは,信仰の表れであることを強調します。証には,わたしたちが真実であると知っていること,信じていること,望んでいることが含まれます。生徒に,イエス・キリストについての証を書くか,携帯電話で証をビデオを撮ってもらいましょう。その後,書いた証または録音した証をクラスの一員に分かち合ったり,友人にメールで送ったり,SNSに投稿したりしてもらうとよいでしょう。
困難な物事を行うことについて,マリヤとヨセフから何を学べるだろうか
生徒に,自分が現在直面している困難について考え,簡単に書き出してもらいます。この学習活動の中で,困難に対処する助けとなるアイデアを書き留めるよう生徒を促してください。
次の画像を見せ,「マリヤはヨセフと婚約」したとき(マタイ1:18),「婚約」と呼ばれる契約を結んだことを説明するとよいでしょう。婚約によって生じる義務を理解できるよう,Scripture Helps: New Testament(「聖文ヘルプ:新約聖書」)の“Matthew 1:18.What did it mean to be espoused?”(「マタイ1:18。婚約するとはどのような意味か」)を生徒とともに復習するとよいでしょう。
生徒を二人一組にすることを検討してください。一人の生徒に,マタイ1:18-25からヨセフについて読んでもらい,もう一人の生徒には,ルカ1:26-38からマリヤについて読んでもらいます。以下の質問を提示し,生徒に話し合ってもらいましょう.
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この状況では,マリヤはどのような困難を経験していたでしょうか。ヨセフについてはどうでしょうか(Scripture Helps: New Testament〔「聖文ヘルプ:新約聖書」〕の“Matthew 1:18–25.What options did Joseph have when he learned Mary was pregnant?”〔「マタイ1:18-25。マリヤの妊娠を知ったヨセフには,どのような選択肢があったのか」〕を参照)。
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自分の置かれた状況に対するマリヤとヨセフの対応から,困難な状況への対処についてどのようなことを学べるでしょうか。(生徒が見つける可能性のある真理:神の御心を知り,従おうとするなら,わたしたちは困難な物事を行うことができる〔注:マタイ1:20の「思いめぐらして」という言葉は,深く考える,または熟考するという意味のギリシャ語,enthymeomaiに由来しています。〕)
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自らの思いを神に従わせることを選んだことから,マリヤとヨセフにどのような祝福がもたらされましたか。
二人一組でこれらの質問について話し終えたら,生徒にクラスで自分たちの洞察を分かち合ってもらいます。
生徒が生活の中で義にかなった行動を取ることができるように,以下にある文章および関連する質問の一つ,または両方を分かち合うとよいでしょう。
「義にかなった影響を永遠に波及させている女性は,「尊い,選ばれた器」であるマリヤを抜きにしては考えられません(アルマ7:10)。かつて例のない,神聖な宣言を天使から聞かされたマリヤは,主の御心に自分を委ねました。「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように。」(ルカ1:38)マリヤが示した信仰と従順と謙遜さは,あらゆる女性にとっての模範となっています。」(バージニア・U・ジェンセン「波紋のように」『リアホナ』2001年1月号,107)
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主の御心に快く自らを委ねることは,あなたが直面する困難に対処するのをどのような助けてくれるでしょうか。
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あなたの知り合いの中に,現代のマリヤはいますか。その人の模範から,何を学ぶことができるでしょうか。
「マタイは次のように語っています。……〔ヨセフ〕は正しく思いやりのある人物でした。夢の中で天使からイエスがどのような御方になるかを告げられると,ヨセフは従順であり,「救い主」を意味するイエスという名をつけました(マタイ1章参照)。わたしたちはヨセフがマリヤをベツレヘムに連れて行き,そこでイエスがお生まれになったことを知っています(ルカ2:4-6参照)。それから2年もたたずして,ヨセフは夢の中で警告を受け,ヘロデから逃れるために家族を連れてエジプトに向かいます。エジプトでは,いつ戻るべきかを再び夢で告げられ,また別の夢ではガリラヤに行くように告げられました(マタイ2:13-15,19-22参照)。神からの夢を4つも受けたのです!ヨセフはきわめて先見の明のある,霊的に敏感な人物であったに違いありません。」(Gerald N. Lund, Jesus Christ, Key to the Plan of Salvation [1991], 51)
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天の御父からの啓示を求め,啓示を受けることは,あなたが直面する困難に対処するうえでどのような助けとなるでしょうか。
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あなたの知り合いの中に,現代のヨセフはいますか。その人の模範から,何を学ぶことができるでしょうか。
生徒に,マリヤまたはヨセフの行動やキリストのような特質から学んだ中で,自分の状況に応用できそうなものを見つけてもらいます。受けた印象を書き留め,それに従って行動するよう生徒を促してください。