「創世12-17章;アブラハム1-2章」『旧約聖書 インスティテュート教師用手引き』
「Abraham on the Plains of Mamre」グラント・ロムニー・クロウソン画
創世12-17章;アブラハム1-2章
アブラハムは主を求め、義に従う者となることを望みました。主は奇跡的に、偽りの神々のいけにえになることからアブラハムを救い出されました。主はアブラハムに、土地と子孫、神権の祝福を与えると聖約されました。アブラハムの子孫には、救い主の福音の祝福によって地上のすべての国民を祝福する責任があります。この聖約はアブラハムの聖約として知られています。救い主の教会の会員として、わたしたちはアブラハムの聖約の祝福と責任を受けることができます。
そのほかのリソース
『聖文ヘルプ:旧約聖書』「創世12-17章;アブラハム1-2章」
注:「コースの紹介」では、以下に続く標準的なレッスン要素の活用方法に関する指針が示されています。
個人学習を促す
クラスの前に、以下のメッセージのうち一つまたは複数を、あるいはあなた自身が作ったメッセージを生徒に送るとよいでしょう:
-
困難な生い立ちにもかかわらず、アブラハムは神を求めました。アブラハム1:1-19を研究するとき、どうすればもっと最大限に主を求めることができるか考えてください。
-
アブラハムの聖約についてどのようなことを知っていますか。アブラハム2章を読みながら、この聖約が自分とどのような関係があるのか考えてください。
-
知り合いの中で平和をつくり出す人はだれですか。その模範から何を学びましたか。教義と聖約13:1-2を研究するときこれらの質問について深く考えてください。
-
創世16章に記されているハガルの経験を研究するとき、神があなたを愛し、あなたのことを御存じであることを示してくださったときのことについて考えてください。
質問し、分かち合う
創世12-17章およびアブラハム1-2章に関して、生徒が質問したり、個人的に学習して見つけた洞察や真理を分かち合ったりする時間を設けてください。
学習活動のオプション
あなたと生徒のために、複数の学習オプションが用意されています。あなたのクラスにとって最も意義深いと思われる選択肢を一つ以上、祈りをもって選んでください。
教え方と学び方を改善する
学習者が個人の啓示を求め、認識し、それに従って行動できるよう助ける。生徒が聖霊から受ける個人の啓示を認識し、それに従って行動できるように助けてください。その方法の一つとして、「これらの聖句を研究しながら、どのような考えや印象を持ちましたか」や「今日、聖霊から何をするよう促されましたか」などの質問をするとよいでしょう。さらに詳しく学ぶには、「救い主は人々が個人の啓示を求め、認識し、それに基づいて行動できるよう助けられた」(『救い主の方法で教える』18)の項を参照してください。
どうすればもっと熱心に主を求めることができるでしょうか。
ディーター・F・ウークトドルフ長老の次の言葉を分かち合うとよいでしょう。
「イエスは教えられました。『求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。』(マタイ7:7)
この簡潔な言葉は、霊的な約束であるだけでなく、事実を述べています。……
探していないものを見つけることはめったにありません。」(「もっと高い喜び」『リアホナ』2024年5月号、68)
-
わたしたちが求めるものによって、わたしたちの生活はどのように形造られるでしょうか。(このことを示す例を幾つか生徒に発表してもらうとよいでしょう。)
聖文には、主がわたしたちに求めてほしいことと、求めないよう望んでおられることについて、多くの教えが含まれていることを説明します。以下の指示と聖句を表示するとよいでしょう。
1(まったくない)から5(非常に多い)の5段階で、以下の聖句が毎日の選択をどの程度よく反映していると感じるか評価してください:
-
「富を求める前に神の王国を求めなさい。」(モルモン書ヤコブ2:18)
-
「あなたはこの世のものを捨てて、この世に勝る世のものを求めなければならない。」(教義と聖約25:10)
-
「あなたがたは手に入れることのできないものを、……求めてきたのである。あなたがたは、罪悪を行いながら幸福を求めてきた。」(ヒラマン13:38)
-
「わたしに近づきなさい。そうすれば、わたしはあなたがたに近づこう。熱心にわたしを求めなさい。そうすれば、あなたがたはわたしを見いだすであろう。」(教義と聖約88:63)
アブラハム書の話から、主を求めることについて重要な教訓を学ぶことができることを説明します。(生徒がアブラハム書になじみがない場合は、「アブラハム3章。アブラハム書とはどんな書物ですか」(『聖文ヘルプ:旧約聖書』)を一緒に読むとよいでしょう。)
生徒に、アブラハム1:1-7を研究し、アブラハムが何を求め、どのような障害に直面したかを見つけてもらいます。生徒が学んだことを分かち合えるように、次のような質問をするとよいでしょう:
-
なぜアブラハムは「別の居住の地を得る」必要があったのでしょうか。
-
アブラハムは、自分の人生で特に何を求め、何を得たいと望みましたか。
生徒に、アブラハム1:15-20またはアブラハム2:8-13を研究してもらい、アブラハムが主と主の祝福を求めたことでどのように祝福されたかを見つけてもらいます。(アブラハム2:8-13には、アブラハムが後の人生で経験したことが記されていることを指摘するとよいでしょう。)
生徒が研究し終わったら、以下の質問について、もう一方の聖句を研究した二人一組の相手と話し合ってもらいます:
-
あなたが研究した聖句の中で、主はアブラハムをどのように祝福されたでしょうか。これらの祝福は、主の性質についてどのようなことを明らかにしているでしょうか。
-
この話から学んだことや感じたことの中で、現代のヤングアダルトに役立つことは何ですか。
数人の生徒に、二人一組の話し合いの中で学んだことを分かち合ってもらいます。生徒は次のような真理を見つけることができるでしょう:わたしたちが熱心に主を求めるなら、わたしたちは主を見いだすであろう。生徒たちに、この真理を反映しているアブラハム2:12の語句に印をつけてもらうとよいでしょう。
-
わたしたちはどのようにして主を熱心に求めることができるか、幾つか例を挙げて説明してください。(この話し合いの一部として、ビデオ「Nourish Your Own Faith(自分の信仰を養う)」〔2:08〕を見るとよいでしょう。)
2:7 -
現在、主を求めたいという望みをあまり感じていない人に、どのようなアドバイスをしますか。
主を熱心に求めたときの経験や主を見いだした方法について、生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。
生徒が学んだことを実践できるよう助けるため、以下の質問を表示し、生徒が答えを記録する時間を取るとよいでしょう。
-
今日、主を求めることについて学んだり感じたりしたことの中で、覚えておきたいことは何ですか。
-
より完全に主を求めるために、どのような目標を設定できるでしょうか。促しがあったと感じたことに基づいて行動できるようにするにはどうすればよいでしょうか。
あまり個人的でなければ、数人の生徒に自分の答えをクラスで発表してもらうとよいでしょう。今日話し合った真理について証してください。
アブラハムの聖約はわたしとどのような関係があるでしょうか
この課の冒頭に見たアブラハムの絵を見るとよいでしょう。一人の生徒に、ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を読んでもらいます。
「わたしたちにとって、『アブラハム』という栄誉ある名は重要なものです。この名は、聖書のすべての聖句よりも、回復された聖文の中に数多く登場します。アブラハムは末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての会員と結びついています。」(「散らされたイスラエルの集合」『リアホナ』2006年11月号、80)
-
アブラハムはすべての教会員とどのようにつながっているでしょうか。(必要に応じて、アブラハムの聖約と言えば、アブラハムのことを話していると指摘してください。生徒はアブラハム1:1-7、15-19を研究して、神がアブラハムと聖約を交わされるに至った状況について学ぶとよいでしょう。)
生徒に、次の表と同じものを作ってもらいます。アブラハム2:6-11を研究しながら、表を完成させてもらうとよいでしょう。また、「創世12:1-3;アブラハム2:6-11。神はアブラハムとどのような聖約を交わされたのですか」(『聖文ヘルプ:旧約聖書』)を研究してもよいでしょう。
|
神がアブラハムに約束されたことは何でしたか。 |
これらの約束は、わたしとどう関係しているでしょうか。 |
|---|---|
神がアブラハムに約束されたことは何でしたか。 | これらの約束は、わたしとどう関係しているでしょうか。 |
神がアブラハムに約束されたことは何でしたか。 | これらの約束は、わたしとどう関係しているでしょうか。 |
神がアブラハムに約束されたことは何でしたか。 | これらの約束は、わたしとどう関係しているでしょうか。 |
生徒は、アブラハムの聖約について学んだことを二人一組で要約するとよいでしょう。次のような質問をするのもよいでしょう:
-
これら約束は、天の御父とイエス・キリストの属性について何を教えていますか。
-
これらの聖句は、今日の教会員としてのあなたの責任について何を教えていますか。(生徒が自分の言葉で話す真理には、次のようなものがあるかもしれません:わたしたちには、アブラハムの子孫として、すべての人々を福音の祝福にあずからせる責任がある。)
-
アブラハムの聖約に関する責任を果たす方法にはどのようなものがありますか。(この話し合いには、ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉が役立つでしょう。)
「主は、福音を広め、聖約を分かち合うよう、わたしたちに命じておられます。それこそが、わたしたちに宣教師がいる理由です。神は御自分の子供たちの一人一人が、救い主の福音を選んで聖約の道を踏み出す機会を得られるように望んでおられます。神は御自分がいにしえの時代にアブラハムと交わした聖約にすべての人をつなぎたいと望んでおられます。
したがって、伝道活動はイスラエルの大いなる集合に不可欠の要素です。この集合は、今日地上で行われていることの中で最も重要な業です。規模において、重要性において、ほかに類を見ないものです。主の宣教師たち、すなわち主の弟子たちは、今日地上における最も大いなるチャレンジ、最も大いなる大義、最も大いなる業に携わっているのです。
しかし、必要なことはもっとあります。もっとたくさんあるのです。幕の向こう側にいる人々に福音を広めることが、大いに必要とされているのです。神は幕の両側にいるすべての人が御自分の聖約の祝福を享受することを望んでおられます。」(「永遠の聖約」『リアホナ』2022年10月号、9)
生徒に、イスラエルの集合に主とともに参加した経験を分かち合ってもらうとよいでしょう。これらの取り組みを通して、主はどのように自分やほかの人たちを祝福されたかを分かち合うよう励まします。あなたが自分の経験を話してもよいでしょう。
イスラエルを集め、福音の祝福をほかの人々と分かち合うという責任を果たすための計画を立てる時間を生徒に与えます。立てた計画を書き留めるよう勧めます。今後の課で、計画の進捗状況をフォローアップするとよいでしょう。
どうすれば平和をつくり出す人になれるでしょうか
生徒に、対面またはオンラインでだれかと意見が合わなかったときのことを思い起こしてもらいます。以下の自己評価を表示して、難しい会話において平和をつくり出す人になる傾向が自分にあるかどうか、静かに評価してもらいます。
以下の質問について、1(まったく当てはまらない)から5(非常に当てはまる)までの5段階で答えてください。
だれかと意見が合わないとき……
-
わたしは自分が正しいことを証明したいという欲求に突き動かされます。
-
わたしは耳を傾け、相手の言い分を理解しようと努めます。
-
わたしは、相手に変わる必要がある理由を伝えることが多いです。
-
お互いにとって良い結果となるよう、相手と折り合いをつけようと努力します。
アブラム(後にアブラハムと呼ばれる)とその家族は、しばらくエジプトで暮らした後、カナンの地に戻ったことを指摘します。生徒たちに、創世13:1-12を研究し、アブラムの民の中でなぜ争いが始まったのかを見つけてもらいます。
-
ロトとの対立に対するアブラムの対応について、どのようなことが印象に残りましたか(8-11節参照)。
クエンティン・L・クック長老の次の言葉を紹介します。
「平穏な人間関係を持つための教訓は明らかです。義にかかわりのない事柄については、進んで譲歩してでも党派心を除くべきだということです。ベニヤミン王が教えたように、『互いに傷つけ合う心を持たず、平和に暮ら〔す〕』(モーサヤ4:13)のです。しかし、義と教義が命じる行動については、確固として揺らいではなりません。」(「困難な時代における自らの平安」『リアホナ』2021年11月号、91)
生徒たちに、創世13章とクック長老の言葉から学んだ真理を発表してもらいます。生徒は次のような真理を見つけることができるでしょう:わたしたちは、義にかかわりのない事柄について進んで譲歩することで、平和をつくり出す人になることができる。
-
何が平和をつくり出す人になることを難しくしているのでしょうか。
-
周りの人々とさらに平和をつくり出す人になるために、あなたには何ができるでしょうか。
平和をつくり出す人になるということは、どんな犠牲を払ってでも争いを避けるという意味でも、だれかに利用されたり、傷つけられるのを許すべきだという意味でもないことを指摘すると役立つかもしれません。平和をつくり出す人になるという救い主の模範に従う方法を生徒がよりよく理解するのを助けるために、ビデオ「Blessed Are the Peacemakers(平和をつくり出す人たちは、さいわいである)」(2:17)または「Peacemakers in Contentious Times(争いの時代に平和をつくり出す人)」(2:42)を視聴するとよいでしょう。あるいは、ラッセル・M・ネルソン大管長の「平和をつくり出す人が必要です」(『リアホナ』2023年5月号、98-101)の一部を研究する時間を設けるとよいでしょう。生徒は見つけたことを、二人一組またはクラス全体で分かち合うとよいでしょう。
二人一組または小グループで、次の質問のどちらか一方または両方に対する答えを、数人の生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう:
-
あなたが平和をつくり出す人になる努力をしたとき、どのような良い結果がありましたか。
-
平和をつくり出す人になるためのほかの人の努力によって、あなたはどのように祝福されてきましたか。
締めくくりとして、以下の質問を表示するとよいでしょう。生徒が答えを記録できるよう、十分に時間を取ってください:
-
あなたの生活の中で、より良い平和をつくり出す人になれる状況にはどのようなものがありますか。
-
平和をつくり出す人になるために、今日から何を始めますか。
どうすれば神がわたしを御存じであることが分かるでしょうか
次のような言葉をホワイトボードに書くとよいでしょう:「孤独」「見捨てられた」「惨め」「誤解された」「無視された」。生徒たちに、最近このような感情を抱いたときのことを考えるように勧めます。
創世16章のハガルとサライの経験を研究し、孤独を感じたり、気づかれていないと感じたとき、どのように主に助けを求めることができるかを考えてもらいます。
アブラムとサライ(後に神によってアブラハムとサラと改名された)は、多くの子孫を持つと神に約束されていたにもかかわらず、子供を持つことができないままサライが老年に達したことを説明します。サライは、子孫に関する主の約束が果たされるよう、自分のつかえめであるハガルを多妻結婚の妻としてアブラムに与えました。神がアブラムとサライにそうするよう命じられたことを指摘するとよいでしょう(教義と聖約132:34;創世16:1-3参照。また「創世16:1-3。なぜサライはハガルを妻としてアブラム与えたのですか」(『聖文ヘルプ:旧約聖書』)も参照)。
生徒たちに、創世16:4-6を一緒に読み、ハガルとサライの間に何が起こったかを見つけてもらいます。
-
あなたがハガルの立場だったら、どのように感じたでしょうか。サライの立場では、どのように感じたでしょうか。
生徒たちに、創世16:7-16を研究し、ハガルが去った後に何が起こったかを見つけてもらいます。
-
ハガルの経験から、神についてどのようなことが学べますか。(イシマエルの名前は「神は聞いておられる」という意味であり、創世16:14で言及されているBeer-lahai-roi(ベエル・ラハイ・ロイ)という名前は、「生きてわたしを見ている者の井戸」を意味することを指摘するとよいでしょう。)
生徒は次のような真理を見つけるかもしれません:主はわたしたちの声を聞き、見て、わたしたちが試練を乗り越えられるよう助けてくださる。
-
神はどのような方法で、わたしたちを見て、わたしたちの声を聞いておられることを示されますか。
ディーター・F・ウークトドルフ長老の次の言葉を分かち合うとよいでしょう。
「皆さんはこの旅において独りではありません。天の御父は皆さんを御存じです。だれも皆さんの言葉を聞いてくれないときでも、御父は聞いてくださいます。皆さんが義を喜ぶとき、御父はともに喜んでくださいます。皆さんが悩むとき、御父は皆さんとともに悲しまれます。」(「故郷へ向かうすばらしい旅」『リアホナ』2013年5月号、127)
生徒に、神が自分のことを御存じで、自分が経験していることを御存じであると感じたときのことを振り返ってもらいます。何人かの生徒に、あまり個人的すぎない経験を発表してもらうとよいでしょう。
学習活動の締めくくりとして、神は試練の中にいるすべての神の子供たちを見て、その声を聞き、彼らを祝福してくださることを証するとよいでしょう。