聖文コース
モーセ7章


「モーセ7章」『旧約聖書 インスティテュート教師用手引き』

身を変えられて天に移されるエノクとシオンの町

Enoch and His People Are Taken Up to God」デル・パーソン画

モーセ7章

預言者エノクはシオンと呼ばれる町を築きました。人々は一つとなり、神聖であり、貧しい人々を世話しました。やがて、その町は神のもとに取り上げられました。主はエノクに、地球の歴史についての示現をお見せになりました。エノクはサタンの影響力を目にし、神が御自分の子供たちの苦しみのために涙を流されるのを見ました。エノクは、イエス・キリストの生涯と教導の業、末日における福音の回復、シオンの町の地上への帰還を予見しました。

そのほかのリソース

『聖文ヘルプ:旧約聖書』モーセ7章

注:「コースの紹介」では、以下に続く標準的なレッスン要素の活用方法に関する指針が示されています。

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個人学習を促す

クラスの前に、以下のメッセージのうち一つまたは複数を、あるいはあなた自身が作ったメッセージを生徒に送るとよいでしょう:

  • だれもがイエス・キリストに従う決意を完全に持っている環境に住んでいると想像してください。モーセ7:16-21に記されているエノクとその民についてを研究するとき、自分の周りの環境をもう少しシオンのようにするにはどうすればよいか深く考えてください。

  • わたしたちが苦しんでいるとき、神はどのように感じておられるだろうかと考えたことはありますか。モーセ7:23-40を読みながら、主について学んだり感じたりすることに注意を払ってください。

  • 終わりの時に生きることに、不安を感じたことはありますか。あなたが希望と励ましを感じるうえで助けとなる主の教えを、モーセ7:60-67から見つけてください。

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質問し、分かち合う

モーセ7章に関して、生徒が質問したり、個人的に学習して見つけた洞察や真理を分かち合ったりする時間を設けてください。

スキルトレーニングアイコン
スキルトレーニング

モーセ7:23-40は、『聖文研究のスキル』の「聖文の中の対比を探す」スキルを使うのに役立つかもしれません。モーセ7:60-67を教えるときに、「熱心に学ぶよう促す質問をする」スキルを使うとよいでしょう。

学習活動のオプションアイコン
学習活動のオプション

あなたと生徒のために、複数の学習オプションが用意されています。あなたのクラスにとって最も意義深いと思われる選択肢を一つ以上、祈りをもって選んでください。

教え方と学び方を改善する

学んでいることに従って生活するよう生徒を励ます。改心を深め、キリストの属性を身につけることは、すべて一度に達成できることではないということを忘れないでください。わたしたちは絶えず信仰をもって行動し、イエス・キリストに頼らなければなりません。まことの教義に従い、信仰をもって行動するようにあなたの教える人たちを招くとき、彼らが学びの経験を家庭や日々の生活に広げるのを助けることになります。学習者に、学んでいることを意識的に応用し、責任を持ち続けられるように目標を設定してもらいましょう。時折、聖文にある真理を自分の生活に当てはめるために行っている努力を分かち合ってもよいでしょう。(詳細については『救い主の方法で教える』24、27を参照)

モーセ7:16-27、53、68-69

どうすれば周りの環境をよりシオンに近づけることができるでしょうか

預言者ジョセフ・スミスの次の言葉を紹介するとよいでしょう。

預言者ジョセフ・スミス

「わたしたちはシオンを築き上げることを最大の目標としなければなりません。」(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』186

シオンを築き上げるとはどういう意味か、またなぜこれがそれほど重要な目標なのかについて、生徒が現在知っていることを分かち合ってもらいます。また、シオンを築くため現在取り組んでいることを静かに評価してもらってもかまいません。シオンとは何か、また自分の生活や周りの世界にシオンを確立するうえでどのように役立つかについて、理解を深める助けとなる真理を探すよう生徒を励まします。

預言者エノクがシオンの町を築くために民に教え、導いたことを説明します。これは昔に起こったことですが、現代のシオンを築くため、どのような人物になるべきかの規範を示してくれています。

生徒にモーセ7:16-27、53、68-69を研究して、シオンの特徴を幾つか見つけてもらいます。(生徒が22節について質問がある場合、「モーセ7:22。『カインの子孫は肌が黒〔い〕』とはどういう意味ですか」(『聖文ヘルプ:旧約聖書』)を読んでもらうとよいでしょう。)

生徒が見つけたシオンの特徴について分かち合ってもらいます。見つけたことをホワイトボードに書き出してもよいでしょう。次の中から幾つか質問して、意見を発表しやすくするとよいでしょう:

  • シオンは世界のほかの地域とどのように異なっていましたか。

  • シオンの人々が主と築いていた関係について、どのようなことに気づきましたか。

  • わたしたちがシオンの民になる方法について、18節はどのようなことを教えているでしょうか。(生徒は次のような真理を見つけるでしょう:わたしたちが心を一つにし、思いを一つにし、義のうちにともに住み、貧しい人々の世話をするとき、わたしたちは主の民となり、シオンを築くことができる。イエス・キリストが現世の生涯において、どのようにこれらの特質の模範を示されたか話し合うとよいでしょう。)

エノクとその民は、現代においてシオンを築こうと努力するわたしたちにとって模範となり得ることを説明します。ホワイトボードに次のグループまたは設定を書き出すとよいでしょう:

  • 家族

  • ルームメイトや友人

  • ワードまたは支部

  • 職場

  • オンライン

  • 地域社会

二人一組または少人数のグループに分け、生徒にリストから幾つかのグループまたは設定を選んでもらい、次の質問について話し合ってもらいます。

  • その設定でシオンを築き上げるとは、どのようなことでしょうか。

  • より一つになり、より聖くなり、ほかの人をより世話することによって、生活の一部にどのような違いがもたらされるでしょうか。

D・トッド・クリストファーソン長老の次の言葉を分かち合い、シオンについて生徒が得たさらなる洞察と、シオンを築き上げるためにできることについて話し合うとよいでしょう。

D・トッド・クリストファーソン長老

「シオンがシオンである理由は、その民の性質、特質、忠実さにあります。……家庭、支部、ワード、ステークにシオンを確立しようと願うなら、……(1)心と思いにおいて一つとなる。(2)個人としても、全体としても聖なる民になる。(3)貧困をなくすため、貧しい人と助けを必要としている人を効果的に助ける。これらの実現をシオンが築かれるまで待っていることはできません。これらを実現して初めてシオンが築かれるのです。」(「シオンに来たれよ」『リアホナ』2008年11月号、38)

生徒たちが自分の生活の中に十分にシオンを築くことができるよう、より一つになり、聖くなり、または惜しみなく世話できる人になるための計画を立てながら、聖霊の導きを求めるよう生徒を励まします。生徒に、これからいつ、どのような行動を取るか具体的に書いてもらいます。何人かの生徒に、あまり個人的すぎない計画を発表してもらうとよいでしょう。

締めくくりとして、イエス・キリストが「シオンの王」(モーセ7:53)であり、再臨のときに地上に戻られることを証するとよいでしょう。シオンを築く彼らの努力は、彼ら自身とほかの人々を主の再臨に備える助けとなるでしょう。

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モーセ7:21-40

神はわたしについてどのように感じておられるでしょうか

以下のシナリオの一つまたは両方を紹介するか、独自のシナリオを作成するとよいでしょう:

  • ルビーには、イエス・キリストに従わないという選択をした家族や友人がいます。彼女は、家族や友人の決断が、彼らに対する天の御父の愛に影響を与えたのではないかと考えています。

  • マックスは、神との関係を求めることにためらいを感じます。彼は、神は厳しく、すぐに人々を罰すると考えています。

生徒に、知人がシナリオのような状況に置かれているかもしれないと想定してもらいます。また、自分自身と神との関係や、神について抱いている疑問や感情についても考えてもらうとよいでしょう。この学習活動で神の性質について詳しく学びながら、聖霊から学べることを受け入れるよう生徒を励まします。

エノクとその民がシオンを築き、最終的に天に取り上げられたことを指摘します(モーセ7:16-21、68-69参照)。エノクは示現の中で、シオンの一員にならなかったために地上に残ることになった人々に対する、サタンの影響力を見ました。

生徒にモーセ7:23-27を読んでもらい、エノクが見て学んだことを見つけてもらいます。

  • この聖句の中で見つけた、覚えておくことが重要だろうと思うものは何ですか。

モーセ7:28-33を研究し、天の御父に従わない人々を見て、御父がどのように感じられたかを見つけてください。

  • この聖句を研究しながら、天の御父についてどのようなことを学び、どのように感じましたか。(生徒は次のような真理を見つけるかもしれません:天の御父はすべての人々に愛と憐れみを感じ、彼らが苦しむときに涙を流される。天の御父はとこしえに憐れみ深く、思いやりの深い御方である。天の御父は、わたしたちとわたしたちの状況をよく御存じである。

  • これらの真理を知ることで、あなたの生活はどう変わってくるでしょうか。

ジェフリー・R・ホランド会長の次の言葉を紹介するとよいでしょう。

ジェフリー・R・ホランド会長

「そこでは、エノクの目の前で天が開け、人類に関する偉大な示現が与えられます。この世の祝福と試練を見せられ、御父に目を向けたエノクは、御父が涙しておられることに気づき、息をのみます。驚きと畏れの中で、エノクは宇宙で最も権威ある御方に尋ねます。『どうして泣くことがおできになるのですか。……あなたはとこしえに憐れみ深く、思いやり深い御方です。あなたの御座のある所は……平安……があります。憐れみはあなたの前を進み、終わりがありません。どうしてあなたは泣くことがおできになるのですか。』……

この感動的な場面は、ほかのどのような神学上の論文よりも明確に、神の本質を示しています。……

わたしたちの人生にこれほど心を砕いておられる神の御姿を心からぬぐい去ることができるでしょうか。子供たちが御父を選ばず、御父が送られた『神の福音』に従わないとき、御父の苦悩はこれほど大きいのです。〔ローマ1:1〕このように深く愛してくださる御方を愛することは、どれほどたやすいことでしょう。……

今日わたしは、御自身の個性を持ち、生きておられる神について、自分自身の証を述べたいと思います。神はわたしたちの名を御存じであり、祈りを聞き、こたえてくださいます。神は霊の子供として人類をとこしえに愛しておられます。」(「偉大な神の性質」『リアホナ』2003年11月号、71-72)

ホランド会長の言葉で印象に残ったことを、生徒に発表してもらいます。また、以下の質問をしてもよいでしょう:

  • 神があなたを愛しておられ、あなたの苦しみに敏感であられることを、どのようにして知りましたか。(これを経験したほかの若者の例を生徒に示すことが、生徒の役に立つかもしれません。ビデオ「天の御父はわたしを御存じです」〔3:18〕;「福音ライブラリー」を参照してください。)

    3:19

時間があれば、地上には大きな悪事がはびこっているために、悔い改めない者は洪水で滅びると神がエノクにお教えになったことを説明するとよいでしょう。このことでエノクは涙を流しました(モーセ7:36-44参照)。生徒に、モーセ7:44-53を研究して、主がどのようにエノクを慰められたかを見つけてもらうとよいでしょう。これらのことを見ると、エノクの心が喜ぶのはなぜか、話し合うとよいでしょう。

学習活動の締めくくりとして、聖霊から学んだり感じたりしたことを生徒に振り返ってもらいます。時間を取り、生徒に自分の考えや印象を書き出してもらいます。

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モーセ7:60-67

主はわたしたちが末日の災いに直面するとき、どのように助けてくださるだろうか

ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を紹介するとよいでしょう。

ラッセル・M・ネルソン大管長

「近いうちにわたしたちは、これまで世界が見たこともないような、救い主の最も偉大な力の現れを目にすることでしょう。今から、主が『力と大いなる栄光とをもって』(ジョセフ・スミス—マタイ1:36)戻られるときまでの間に、主は忠実な人々に数え切れないほどの特権と祝福と奇跡を授けてくださいます。

とはいえ、わたしたちが今、世界史上最も複雑な時代に生きていることは確かです。多くの人が、複雑な問題や試練に押しつぶされそうになり、疲れ果ててしまっています。」(「世に打ち勝ちなさい。そうすれば、休みが与えられるであろう」『リアホナ』2022年11月号、95)

ネルソン大管長の話について、自分の考えを生徒に発表してもらいます。次のような質問をするとよいでしょう:

  • 末日に生きることを難しくする困難には、どのようなものがあるでしょうか。

  • どうすれば末日に生きながら希望を見いだすことができるでしょうか。

モーセ7章に記録されている示現の一部として、エノクは、主が末日に御自分の民を守られる方法を幾つか学んだことを説明します。研究しながら、真理を探し、聖霊から与えられる霊的な印象に注目するよう生徒に勧めます。そうした印象は、世界の歴史におけるこの重要な時代に生きていることへの感謝の気持ちを強くする助けとなります。

モーセ7:60-61を一緒に研究します。生徒に、主がエノクに、末日に起こると告げられた危険を見つけて分かち合ってもらいます。

  • 61節で、主は御自分の民のために何を行われると約束されましたか。(生徒の聖典の「わたしは自分の民を守ろう」という語句に、印をつけてもらうとよいでしょう。)

ホワイトボードに次の言葉を書くとよいでしょう:末日に御自分の民を守るために、主は次のことをしてくださいます:

生徒たちに、モーセ7:62-67を研究し、ホワイトボードの文章を完成させる方法を見つけてもらいます。クラスの生徒に、見つけたことを分かち合ってもらいます。生徒の答えをホワイトボードに書くとよいでしょう。必要に応じて、生徒の注意を62節に向け、ホワイトボードに次の真理を書きます:

末日に御自分の民を守るために、主は次のことをしてくださいます:

  • 天から義を下す。

  • 地からの真理を出す。

  • 義と真理によって洪水のごとくに世界を満たす。

  • 主の民をシオンに集める。

生徒がこれらの預言された出来事の重要性をよりよく理解できるように、以下の質問について話し合うとよいでしょう。(この種の質問をすることに関するほかの考え方については、『聖文研究スキル』の「熱心に学ぶよう促す質問をする」を参照してください。)

  • 主はこの預言をどのような方法で成就してこられましたか。あるいは成就しておられますか。(生徒の答えをホワイトボードに書くとよいでしょう。「モーセ7:62-63。エノクは終わりの時について何を見せられましたか」(『聖文ヘルプ:旧約聖書』)を読むことで、生徒がこの質問に答える備えができるよう助けるのに役立つでしょう。)

  • これらの預言された出来事は、天の御父とイエス・キリストについて理解し、感じ取るうえでどのような助けとなりますか。

  • これらの預言された出来事のうちで、末日の困難の中で助けとなったものはありますか。

最後に、この学習活動の冒頭で紹介したラッセル・M・ネルソン大管長の言葉の最初の段落をもう一度分かち合うとよいでしょう。世界の歴史においてこの時代に生きていることに感謝している理由を、何人かの生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。

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