2025
人を贖うイエス・キリストの愛
2025年11月号


14:34

人を贖うイエス・キリストの愛

癒しも赦しも、イエス・キリストの贖いの愛の中に完全な形で存在します。

ラッセル・M・ネルソン大管長に対する愛と、わたしたち一人一人に対する優れた影響力に感謝を表します。そして、わたしたちすべてのために、ダリン・H・オークス会長のすばらしい人生を守り、大いなるものとしてくださる神に感謝します。

わたしが救い主イエス・キリストとその憐れみ深い贖罪に対して感じる愛は、年々深くなっています。イエスの至高の犠牲は、全人類の歴史の中で最も重要な働きです。この犠牲により、死と罪への勝利が実現したのです。神の賜物を理解することは、墓を超えてもなお終わりなく続く、天からの学びの機会です。

主イエス・キリスト

罪を赦し、ほかの人が犯した罪のために受けた傷を癒す救い主の大いなる憐れみは、神の愛の最も奇跡的な現れです。

わたしは、非常に深刻な罪に対する赦しを求めている人たちに希望を、他者の重大な罪によって受けた傷に対する癒しを求めている人たちに慰めを得てもらうことができればと思っています。

癒しも赦しも、イエス・キリストの贖いの愛の中に完全な形で存在します。

イエス・キリストを信じる信仰

重大な罪を犯していて、完全な悔い改めへの道を歩んでいる人、またはその道を歩むことを願い、言い表せないほどの赦しの喜びを感じようとしている人は、どうか、その奇跡が待っていることに気づいてください。救い主は「わたしのもとに来なさい」と絶えず呼びかけておられます。

救い主イエス・キリストを信じる信仰が強くなると、主を知り、信じ、心を主にささげたいという切なる望みが強くなります。エノスは自身が赦しを受けたことを、「主よ、それはどうしてですか」と尋ねました。すると主は、「あなたが、これまでに声を聞いたことも見たこともないキリストを信じているからである」とお答えになりました。

そして、モロナイはこう付け加えています。「もしあなたがたが神の御心に添わないものをすべて拒み、勢力と思いと力を尽くして神を愛するならば、神の恵みはあなたがたに十分であ〔る。〕」

罪に背を向け、神に心を向けて、イエス・キリストを信じる信仰を強めることは、すばらしいスタートです。へりくだって自分の思いを神に従わせることには、ビショップや支部会長の前で重大な罪を認めることも含まれますが、完全な赦しをお与えになるのは救い主です。赦しは、イエス・キリストの恵みを通して与えられる神の賜物です。

正直

神のみもとに帰りたいという心からの望みには、天の御父と自分自身、被害を受けた人たち、神権指導者に対して完全に正直になるという決意が伴います。あなたが打ち砕かれた心と悔いる霊をもって天の御父のもとに来ることを決意するときに御父はお喜びになります。悔いる霊を持つとは、へりくだって自分自身を神の御手に委ねることです。打ち砕かれた心を持つと、使徒パウロが「神のみこころに添うた悲しみ」と表現した気持ち、つまりどんな犠牲を払ってでも神のみもとに戻りたいという心からの願いを抱くようになります。

壊れたものを元に戻す

その切実な願いを抱くと、自分が壊してしまったものを修復したいと思うようになります。しかし、自分の力では修復できないものがあることに気づき、自分の行いのせいで傷ついた人たちを、主が恵みを通して癒してくださるよう熱烈に祈ります。

重大な罪がほかの人に及ぼした影響を克服するのが非常に難しい場合が、よくあります。皆さんは、「自分たちがかつて……加えたすべての害悪の償いをしようと熱心に努め〔た〕」モーサヤの息子たちの模範に倣っているでしょうか。自分で気づいていないかもしれないことについては、尊敬する人たちと話してください。

この話を準備していたとき、悔い改めの過程を歩んでいて教会に戻りたいと望んでいる人から思いがけなくメールが来ました。その人は別れた妻が、「永遠の結婚が無に帰し、〔子供たちに関する悩みがあり〕、経済的な不安にさいなまれ、……支払いが追いつかず、裏切られたというひどく息苦しい気持ちに襲われている」状況にあり、今でも苦しんでいました。

促しを受けた神権指導者から、「よく祈って、〔前の妻と子供たちのために〕できることは何か考える」よう勧められたと、彼は書いていました。許可を得て、メールの一部を共有します。

「〔初めは〕離婚調停で支払うことにした金額は十分すぎる〔額だ〕と思っていましたが、支部会長はそれについて断食と祈りをするようにとわたしに勧めました。

最初わたしは、これ以上の償いをする気持ちにはなれませんでした。自分の罪は金銭にかかわるものではなかったため、ほんとうの『十分な償い』とはどのようなものだろうかと考えていましたが、……〔間もなく〕大事なのはお金ではないことに気づきました。

神権指導者は〔前の妻〕と子供たちに会い、彼らが今も苦しんでいて、まだ癒されていないことを知りました。……

わたしの新しい目標は、信仰をもって前進することでした。……わたしはただ、何の見返りもなく助けたいと思っていることを伝えました。……給料が入る度に〔具体的な金額を前の妻に送る〕ことに決めました。わたしの手取りのかなりの部分を占める金額です。ところが、最初の送金をする直前に、主は〔その2倍の金額を支払う必要があると〕わたしの心に告げられました。

償いとはただお金を払えば済む問題ではないことを、わたしは学びました。償いとは、謙遜に自分の人生を主にささげることなのです。……お金は、わたしが悪いことをしたせいで家族から奪ったものを補うためのものです。償いとは何の見返りも期待せずに約束を交わしてそれを守り、前の妻がいろいろな支払いに頭を悩ませることなく御霊を求めることができるよう支えることなのです。」

壊したものを元に戻すための努力と金銭は無関係なものかもしれませんが、へりくだって主と相談するとき、できることがもっとあることに気がつくかもしれません。

段階的に与えられる神の承認

主に赦しを求める際、主の完全な承認を得られるまで、忍耐強く待ってください。次の聖句について考えてください。

「彼らは、心底謙遜にへりくだり、神に熱烈に叫び求めた。……終日神に叫び求めた。しかし、主は彼らの罪悪のために、彼らの嘆願を聞き届けるのを遅くされた。」

「それでも主は、彼らの嘆願を聞き届け、……民の重荷を軽くするようになった。……さてその後、彼らは……次第に栄え始めた。」

忍耐強くあってください。主は段階的に祝福と承認を与えてくださいます。

主の時が来れば、「これからはもう、これらのことに思い悩まされること〔はないであろう〕」と告げる主の声を感じることでしょう。あなたが救い主に頼り続けるならば、いつの日か、天の御父は「御子の功徳によって〔あなたの〕心から罪を取り除いて〔くださいます〕。」

傷と苦しみ

だれかの深刻な罪によって不当に傷つけられた皆さんに、救い主の愛と憐れみ、慰めと平安を分かち合いたいと心から願っています。

絶対的な確信をもってお伝えします。あなたが感じた悲しみや嘆き、喪失感、裏切られたことで感じている胸の締め付けられるような思い、想像すらしていなかった人生の大きな変化などを、救い主は御存じで、あなたを愛しておられます。救い主に助けを求めてください。主はあなたの慰めとなり、力となられ、天使を遣わして支えてくださいます。痛みが消え、悲しみが和らぎ、苦い思い出を忘れられるのはいつなのか、わたしには分かりません。しかし、これだけは分かります。主は、あなたの苦しみの灰を冠にする力を持っておられます。

ミシガン州グランドブランの愛する兄弟姉妹たちは、イエス・キリストへの揺るぎない信仰、勇気、そして無私の心によって、これからの数週間、数か月の間に、救い主の比類ない愛と憐れみを豊かに受けることでしょう。

主を信頼し続けるなら、皆さんの闇の雲と、夜にむせび泣く苦しみの涙は、朝の光の中で流れる、あふれんばかりの喜びと平安の涙に変わるでしょう。「憂いは喜びに変わるであろう。……〔そして〕その喜びをあなたがたから取り去る者はいない」のです。その時は、必ず来ます。必ず来ると、証します。

ダリン・H・オークス会長

人を贖うイエス・キリストの愛は、最もつらい状況で見いだすことができますが、すべての人は常に、人を贖う救い主の恵みを必要としています。ダリン・H・オークス会長はこのように教えています。「死すべき状態において贖いの経験をなさったおかげで、救い主は全地に住むすべての男女を慰め、癒し、強めることがおできになりますが、主は、主と主の助けを求める人だけにそうなさるのだとわたしは信じています。使徒ヤコブは『主のみまえにへりくだれ。 そうすれば、主は、あなたがたを高くして下さるであろう』と教えています(ヤコブの手紙4:10 )。わたしたちは、主を信じ、主の助けを祈り求めるときに、その祝福を受ける資格があるのです。」

ロバート・E・ウェルズ長老とニール・L・アンダーセン長老

ロバート・E・ウェルズ長老

愛する友人であり名誉中央幹部七十人である、現在97歳のロバート・E・ウェルズ長老から許可を頂きましたので、長老が60年以上前に経験したことをお話しします。

1960年にパラグアイに住んでいたときに、国際的な銀行員として働いていた、当時32歳のロバート・ウェルズ長老と妻のメリル姉妹は、それぞれ別の飛行機を操縦してウルグアイからパラグアイの自宅に帰ろうとしていました。飛行機が厚い雲に突入すると、二人はお互いの飛行機が見えなくなり、無線での連絡も取れなくなってしまいました。長老は急いで着陸しましたが、そこで妻の飛行機が墜落したことを知りました。メリル姉妹も、同じ飛行機に乗っていた二人の友人も、助かりませんでした。アスンシオンの自宅には、7歳と5歳と2歳の子供が残されました。

ウェルズ家族

ウェルズ長老はそのときの悲しみについて、こう語っています。

「突き刺すような悲しみが胸の奥で膨れ上がり、それがわたしの感情をむしばみ、感覚をまひさせました。言葉では永遠に表現できないような苦しみです。深い悲しみの涙が止まりません。さらに悪いことに、妻の死という衝撃的な現実を受け入れようとするにつれ、墜落事故の責任は自分にあるという罪悪感をひしひしと感じるようになったのです。」

長老は、飛行機をもっと徹底的に点検しておけばよかった、妻に計器飛行の指示をもっとよくしておけばよかった、などと考えては自分を責めました。そうしなかった自分のせいだと感じたのです。

ウェルズ長老はこう言いました。

「頭の中は真っ暗でした。……〔子供のために〕ただ生きているだけでした。

もう生きていたくないと思いました。」

やがて彼は、非常に霊的な経験をする祝福にあずかりました。そのときのことをこう語っています。

「約1年後のある晩、ひざまずいて祈っていると、奇跡が起こりました。天の御父に祈り、嘆願していると、救い主がそばに来てくださったように感じたのです。次のような言葉をわたしの魂と耳に語りかける声が聞こえたと感じました。『ロバート、わたしの贖いの犠牲はあなたの罪と過ちの代価を払いました。あなたの妻はあなたを赦しています。友人たちもあなたを赦しています。わたしはあなたの重荷を軽くしましょう。……』

驚いたことに、その瞬間から、罪悪感〔と絶望〕の重荷がなくなりました。わたしは救い出されたのです!わたしはすぐに、救い主の贖罪が持つ、すべてに及ぶ力を理解し、……それが自分に直接当てはまることを知りました。……わたしは……それまで知らなかったような光と喜びを経験しました。……わたしはその無償の、主の恵みの賜物を、すでに授かっていたのです。……わたしはそれに値するようなことを何かしたわけではありませんが、主はわたしに与えてくださいました。」

兄弟姉妹の皆さん、わたしたち皆が、「キリストの血が流されたことによ〔り〕」「神の恵みによりキリストによって聖められ……染みのない清い者とな」れますように。

救い主、贖い主の愛と憐れみと恵みについて証します。主は生きておられます。わたしたちは主のものです。聖約にあずかる者です。主を信じ、主に従い、主を信頼するときに、主はわたしたちを悲しみと罪から救い出してくださいます。そして、この現世の向こうにあるわたしたちの御父の住まいで、永遠に御父と暮らすことができます。イエス・キリストの御名により、アーメン。