聖文ヘルプ
創世42-50章
カナンで飢饉が起こったため、ヤコブは息子たちをエジプトに送り、穀物を買いに行かせました。彼らは弟ヨセフの前に立ちましたが、ヨセフが兄たちを認識しているのに対し、兄たちはヨセフのことが分かりませんでした。ヨセフは兄たちを試した後、自分が何者であるかを明かし、兄たちを赦しました。やがて、ヤコブとその家族全員が、エジプトに住むようになりました。ヤコブは、死ぬ前にヨセフの息子たち、エフライムとマナセを養子に迎え、彼らを祝福しました。また、ほかの息子たちもそれぞれ祝福しました。ヨセフは死ぬ前に、モーセとジョセフ・スミスについて、またヨセフの子孫たちとの将来の役割について預言しました。
リソース
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背景と文脈
ヨセフはなぜ兄たちを試したのでしょうか
創世42-45章で、ヨセフは自分の正体を明かす前に、何度か兄たちを試しました。これらの試しのほとんどは、ヨセフが奴隷として売られた後、ヤコブの寵愛を受けた幼い弟、ベニヤミンに焦点を当てたものでした。ヨセフは兄たちに、兄たちが変わったことと、ヨセフを裏切ったようにベニヤミンを裏切らないことを証明する機会を与えたようです。
この話の至る所で、ヨセフの兄たちが確かに変わったことを示す兆候が見られます。ルベンは、ヨセフを奴隷として売ったことを後悔しました。ベニヤミンが盗みの罪で不当に告発されたとき、ユダは、ベニヤミンを僕か奴隷としてエジプトに留め置くよりも、ベニヤミンの罰を受けることを申し出ました。そして、ユダとほかの兄たちは、息子をもう一人失う苦悩から父親を救うために、ベニヤミンを守ろうと決意しました。
ヨセフの銀の杯にはどのような意味があったのでしょうか
ヨセフは、銀の杯をベニヤミンの袋の中に入れました。杯は「〔ヨセフが〕占いに用いるもの」と記されています。占いとは、迷信的な方法を用いて将来の出来事を予測しようとすることです。占いは、聖文全般で非難されています。
しかし聖文には、天からの真理を見いだしたり、受けたりする助けとして、正当に道具を用いる人の例も記されています。ウリムとトンミム、聖見者の石、杖、リアホナなどの物は、義にかなった目的のために使われてきました。
創世記の記録には、ヨセフが銀の杯をどのように使ったのかを知るための十分な詳細は記されていません。杯は義にかなった目的で使われていたかもしれませんが、非常に高価な物を盗んだとベニヤミンを非難する策略の一部として、ヨセフが占いのために杯を使うと主張しただけの可能性もあります。
ユダの行動は、どのように救い主を思い起こさせるでしょうか
ユダはかつて、ヨセフが父の寵愛を受けていたため彼を恨んでおり、ヨセフを奴隷として売るよう提案した張本人でした。しかし、何年も後にエジプトで、ユダはベニヤミンの代わりに僕または奴隷になることを申し出ました。ユダの行動は、ユダの子孫であるイエス・キリストを思い起こさせます。ユダがベニヤミンを父のもとに帰すため、ベニヤミンの罰を受けると申し出たのと同じように、イエス・キリストはわたしたちが天の御父のもとに帰れるよう、わたしたちの罪を引き受けてくださいました。
ヨセフはどのような意味で、神が自分をエジプトに遣わされたと言ったのでしょうか
ヨセフは兄たちに、自分を奴隷として売ったことを嘆いたり悔やんだりしないようにと言い、神がヨセフをエジプトに送られたのは「命を救うため」だと説明しました。ヨセフの言葉を、神がヨセフの兄たちに彼を奴隷として売るように命じられたという意味で誤解しないでください。むしろヨセフは、神の全知と、困難な状況から良いものを引き出す神の能力を認めていたのです。ニール・A・マックスウェル長老は、次のように説明しています。「ヨセフの兄たちの悪意は、初めから終わりまで、そしてその間にあるすべてを御存じである神の計画の中に組み込まれていました。」
「エジプトのヨセフ」マイケル・T・マーム画
「ヨセフが手ずからあなたの目を閉じるであろう」という主のヤコブに対する約束はどのような意味だったのでしょうか
主はヤコブに、彼の死後、ヨセフがヤコブの目を閉じると約束されました。ヘブライ人の慣習では、亡くなった人の目を閉じて別れの接吻をするのは、故人と最も親しく、最も愛されていた親族の責任でした。
ヤコブはなぜヨセフの息子二人を養子にしたのでしょうか
ヤコブは生前、長子の特権に関する責任を割り当てる必要がありました。伝統的に、長子の特権を受けるのは長男でした。しかし、ヤコブの長子ルベンは罪のために長子の特権を失い、ヨセフが長子の特権を受けることになりました。長子の特権を持つ息子として、ヨセフは父の相続財産の2倍を受け取る権利がありました。ヨセフの2倍の相続分は、ヨセフの息子であるエフライムとマナセに分け与えられました。ヤコブによる養子縁組によって、ヨセフの息子たちはイスラエルの子として数えられ、それぞれの息子の子孫はイスラエルの別々の部族となりました。
ヤコブはなぜ右手をマナセではなく、エフライムに置いたのでしょうか
マナセとエフライムを養子に迎えた後、ヤコブは二人を祝福したいと望みました。ヤコブは次男エフライムの頭に右手を置きました。これは、最終的にエフライムがヨセフの長子の特権を受けることを意味しました。聖文には、兄マナセではなくエフライムが選ばれた理由は記されていませんが、ヨセフが介入しようとしたことに対するヤコブの対応から、これが主の御心であったことがはっきりと分かります。
長子の特権に関するエフライムの責任の一部として、エフライムとその子孫はユダの部族とともに指導者としての責任を与えられました。終わりの時において、エフライムの部族の人々は「神権を受け、世の人々に回復された福音の教えを伝え、散乱したイスラエルを集めるために旗を掲げる」特権と責任を受けます。
Israel Blesses Ephraim with Birthright(「エフライムに長子の特権の祝福を授けるイスラエル」)by D. Keith Larson
ユダに対するヤコブの祝福にはどのような意味があるのでしょうか
ヤコブは生涯の終わりに、息子たち一人一人を祝福しました。この祝福の中で、ヤコブは警告を与え、息子たちの過去の行いの結果について述べ、将来の出来事について預言しました。ヤコブのひときわ重要で詳細な祝福は、ユダとヨセフに与えられました。
10節にある「つえ」とは、ユダの子孫が統治する権利または権能を意味しています。ダビデやソロモンを含むイスラエルの王たちも、「王の王」であられるイエス・キリストと同じユダの子孫です。
ヤコブはまた、ユダの王国は「シロの来る時まで」損なわれないだろうと預言しました。ヘブライ語でシロという名前は「それが属する者」を意味し、ユダの子孫であるイエス・キリストを指します。ラッセル・M・ネルソン大管長は、次のように教えています。「ユダの部族には、主の最初の来臨に世を備える責任が与えられました。ユダの部族……から、マリヤが神の御子の母となるよう召されました。」
ヨセフにとってヤコブの祝福にはどのような意味があるのでしょうか
ヨセフの「枝は、かきねを越える〔であろう〕」という預言は、ヨセフの子孫が全地に散ることを指していると言えます。エルサレムから南北アメリカ大陸に移住したリーハイとその家族は、この預言の成就において重要な役割を果たしました。モルモン書は、リーハイの家族がヨセフの息子マナセの血統であったことを教えています。
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように教えています。「わたしたちはヨセフの記録、モルモン書さえも持っていることを世界に証します。ユダのように、ヨセフにもニーファイ人とレーマン人という自分の民がいました。ユダのように、ヨセフは南北アメリカ大陸という地を持っていました。ユダのように、ヨセフには預言者がおり、彼の子孫にもイエス・キリスト、すなわち復活した主の訪れがありました。」
ジョセフ・スミス訳は、エジプトのヨセフの最後の言葉に対する理解をどのように深めてくれるでしょうか
ラッセル・M・ネルソン大管長は、次のように教えています。
「〔聖書〕において、創世50章はヨセフの死を記録した26節で終わっています。ジョセフ・スミス訳(JST)の創世50章では、24節から26節に重要な情報を追加するだけでなく、ヨセフのつながりに関する知識を深める聖句が12節追加されています(ジョセフ・スミス訳創世50:27-38参照)。追加部分には次のような洞察が含まれており、わたしはそれらを言い換えています。
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ヨセフの腰から出た者から一本の義にかなった枝を起こす(ジョセフ・スミス訳創世50:24参照)。
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イスラエルは散らされる。一本の枝が折り取られ、遠い国に運ばれる(ジョセフ・スミス訳創世50:25参照)。
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ヨセフの腰から出た者のために一つの業を行うよう、一人のえり抜きの聖見者が立てられる(ジョセフ・スミス訳創世50:26-29参照)。
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ヨセフの腰から出た者が書き記すものは、ユダの腰から出た者が書き記すものと一つに合わさり、彼らの先祖と永遠の聖約に関する知識を与える。その知識は末日に与えられる(ジョセフ・スミス訳創世50:30-32参照)。
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約束された聖見者は彼の父の名を取ってヨセフと呼ばれ、ヤコブの息子ヨセフのようであり、主の子供たちを救いに至らせる(ジョセフ・スミス訳創世50:33参照)。
これらの追加部分は、預言者ジョセフ・スミスを通して回復された『分かりやすくて貴い』真理の良い例です(1ニーファイ13:40参照)。」
ヨセフのジョセフ・スミスに関する預言はどのように成就したでしょうか
ジョセフ・スミス訳の創世50:26-33には、預言者ジョセフ・スミスを指す「えり抜きの聖見者」について述べたヨセフの預言が記録されています。以下は、成就したと考えられるヨセフのジョセフ・スミスに関する預言です。
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ジョセフ・スミスについての預言 |
成就したと考えられるもの |
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ジョセフ・スミスについての預言 「彼は……大いに尊ばれるであろう。」(27節) | 成就したと考えられるもの 何百万人もの信者が、ジョセフ・スミスを回復の預言者と見なしています。 |
ジョセフ・スミスについての預言 「彼は、わたしがあなたの先祖と交した聖約をあなたの腰から出た者に知らせ〔る〕であろう。」(28節) | 成就したと考えられるもの モルモン書の目的の一つは、イスラエルの家に主の聖約を知らせることです。 神権はジョセフ・スミスを通して回復されたものであるため、わたしたちは神権の儀式を通して神と聖約を交わすことができます。 |
ジョセフ・スミスについての預言 「わたしの言葉をあなたの腰から出た子孫に伝える力を彼に授けよう。」(30節) | 成就したと考えられるもの 主はジョセフ・スミスを通して、モルモン書、教義と聖約、聖書のジョセフ・スミス訳、そのほかの霊感に満ちた書物を啓示されました。 |
ジョセフ・スミスについての預言 「弱さを強くされる。」(32節) | 成就したと考えられるもの 慎ましい家庭で正式な教育もほとんど受けていない状態から、ジョセフ・スミスは偉大な預言者となりました。 |
ジョセフ・スミスについての預言 「彼を滅ぼそうとする者は打ち破られる。」(33節) | 成就したと考えられるもの ジョセフ・スミスとその業の信用を傷つけようとした人々は失敗しました。 |
ジョセフ・スミスについての預言 「〔彼〕の名はヨセフと呼ばれ、それは彼の父の名を取って付けられる。」(33節) | 成就したと考えられるもの |
「ジョセフ兄弟」デビッド・リンズレー画
ヨセフの子孫とユダの子孫が書き記したものが一つに合わさるとは、どのような意味でしょうか
エジプトのヨセフは、終わりの時に二つの書物、すなわち、自分の子孫が書き記したもの(モルモン書)とユダの子孫が書き記したもの(聖書)が「一つに合わさる」と預言しました。ボイド・K・パッカー会長は、わたしたちの時代における聖書とモルモン書について次のように述べています。「一方を読めば他方も読むことになり、一方から得た知識は他方を読むことによってより明確なものになります。2本の木は、ほんとうにわたしたちの手の中で一つになりました。」
さらに学ぶ
ほかの人々を赦す
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クリスティン・M・イー「灰にかえて冠を:赦しに至る癒しの道」『リアホナ』2022年11月号、36-38
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ジェフリー・R・ホランド「和解の務め」『リアホナ』2018年11月号、77-79
祝福師の祝福
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「トピックと質問」「祝福師の祝福」の項、「福音ライブラリー」
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ランドール・K・ベネット「祝福師の祝福—天の御父からの、霊感あふれる導き」『リアホナ』2023年5月号、42-43
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山下和彦「祝福師の祝福は、いつ受けるべきか」『リアホナ』2023年5月号、88-90
預言者ジョセフ・スミス
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クレーグ・ C・クリステンセン「一人の聖見者を立てよう」『リアホナ』2016年11月号、27-30
メディア
音楽
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「たたえよ、主の召したまいし」『賛美歌』16番
画像
エジプトのヨセフのイラスト/ロバート・T・バレット
「赦し」メーガン・リーカー画
「息子たちを祝福するヤコブ」ハリー・アンダーソン画
「聖書とモルモン書はキリストについて証する」グレッグ・K・オルセン画
「エジプトのヨセフ」ポール・マン画