「再び平安を感じることができる」「被害者への支援」
「再び平安を感じることができる」「被害者への支援」
再び平安を感じることができる
注:この話は、虐待被害者(サバイバー)である人が分かち合ってくれた実体験です。名前や個人を特定する情報は変更しています。
わたしときょうだいは機能不全に陥っていた家族のもとに生まれました。幼いころから、両親がいつも喧嘩をしていたのを覚えています。わたしたちは両親から以前は普通だと思っていた方法でしつけられていましたが、今ではそれが虐待だったと分かります。殴られ、たたかれ、むちで打たれ、冷水風呂に入れられ、ののしられ、脅され、髪の毛や耳を引っ張られたのです。物を投げつけられたこともあります。両親が家にいないことがよくあったので、兄が両親の代わりを務めていたのですが、兄は両親に倣ってわたしたちを扱いました。
6歳のとき、ルイスに性的に虐待され始めたときのことを決して忘れることはないでしょう。このようなことが起きたのは、たいてい二人きりで家にいたときでした。わたしが8歳のとき妹が兄といるのを見るまで、性的に虐待されているのは自分だけだと思っていました。
ルイスの虐待は年を追ってますますひどくなりました。おとなしく言うことを聞かなければ殺すと言われ、わたしは兄の言葉を信じたのです。青少年のときは何度も、すべての希望を失い、完全に心は深く傷つき、消えてなくなるか死にたいと思うほどでした。罪悪感を感じ、こんなに厳しく罰せられるほど、自分は何か悪いことをしたのだろうかと思いました。いつも恐怖を感じていました。何度も神に祈りましたが、神はわたしの祈りをまったく聞いておられないと感じました。守ってもらえず、見捨てられたように感じていたのです。
わたしはルイスの行動について、怖くて両親に言えずにいました。ルイスがいつも見張っていたからです。両親がいるときは、わたしがもし何か言おうものならどうなるか、兄は身振りや態度で暗に示し、脅してきました。わたしは絶えず兄から隠れようとしていましたが、自分の家では安心できませんでした。家にあまり居なくてもよいように、学校を辞めて働きに行きたいとすら思いました。しかし、それは許されませんでした。
11歳のある日、家族に飲み物を買うために父が私にお金を渡しました。食料品店に向かって歩いて行くと、ルイスが後ろから追ってきて、そのお金を渡すように要求しました。こう言ったのです。「父さんに飲み物はどこかと聞かれたら、だれかにお金を盗まれたと言え。」
人生におけるこのような状況に嫌気が差していたので従うことを拒否すると、ルイスは怒って地面に倒れるまでわたしを殴りました。わたしは立ち上がり、よろよろと父のところに戻りました。涙で顔をぬらしながらルイスがしたことを父に告げると、父は兄に激怒しました。
その後、わたしは幾らか安堵を感じました。性的虐待については父に話しませんでした。ルイスに無理やりさせられていたおぞましい性的な事柄に対して、わたしは恥ずかしくて、まるで自分が悪いかのように感じていました。父に話した後、ルイスはわたしを性的に虐待するのをやめましたが、わたしを殴り、傷つけることはやめませんでした。わたしは苦痛に耐えられるようになりました。兄が以前に行ったことと比べれば何でもないことだったからです。
その後、ルイスは軍隊に入ることを決めました。わたしたちにとって、それは彼が行った最悪の決断でした。父と母はルイスがしばらく家を離れることになってほっとしていましたが、ルイスは軍隊で困難な時間を過ごし、さらにおかしくなったのです。兄が軍隊で経験したことが何であれ、すでに暴力的だった彼の性格はさらに激しさを増しました。軍隊から帰って来た兄は、以前にも増して粗暴に振る舞いました。
やがてルイスは自分の家族を持ちました。このことで、兄が変わる助けになるのではないかと願っていましたが、そうはなりませんでした。兄はさらなる被害者を生み出したのです。兄の妻と子供たちはいつも泣いていました。そして兄はわたしたちや近所の人ともけんかをし続けたのです。
18歳のとき、わたしはとうとう家を離れる決心をしました。わたしは自分の人生にうんざりしていました。わたしには、ルイスから振るわれた暴力を思い起こさせる傷跡や骨折がありました。
数年後、わたしはある若い女性に出会い、結婚しました。自分が育ったよりももっとよいすばらしい家族を築きたいと思っていました。しかし、それもうまく行かず、結婚生活は終わりを告げました。わたしは落ち込みました。仕事を失いました。もう勉強することもできませんでした。純潔の律法を破り、教会に行くのをやめました。心の片隅で、現実から切り離されたように感じていました。希望もやる気もありません。
わたしはようやく助けを求めて神に熱心に祈り始めました。勇気を振り絞って、自分の罪をビショップに告白しました。ビショップは、治療を受けるためにわたしをLDSファミリーサービスに送ってくれました。当初、自分の問題はあまり大きくないと思っていましたが、自分の生い立ちについて話し、これまで抱えてきたつらい問題点と向き合うようになりました。そして、自分のきょうだいである姉妹たちとの関係を改善することを学びました。自分に性的な依存症があることも分かり、依存症立ち直りプログラムの集会に参加し始めました。そのプロセスの中で、自分に関する多くのことを発見しました。
困難な道のりでしたが、しばらく時間がたった後、立ち直りプログラムの友人の励ましを受けて、教会に完全に戻る決意をしました。苦痛の結果として自分が選んだ選択が赦され、再び神殿に参入するためにふさわしくあろうと懸命に努力を始めました。
立ち直りの集会でわたしは答えを見つけました。そこでは、自分の考えや気持ちを自由に分かち合うことができます。そのプログラムに参加している友人たちは、わたしの問題を理解してくれ、わたしを裁くことはありません。わたしという人間を受け入れ、わたしの未来に明るさを見いだしてくれるのです。
わたしの旅には、時間や忍耐、愛、奉仕、率直な会話、そして謙遜な心が引き続き求められていますが、自分の肩にのしかかっている重荷から解放されるよう、わたしは一歩ずつ踏み出しています。キリストとその贖罪の力を通して、人生をさらにコントロールする力を得ています。神がわたしの心を変えてくださったので、再び平安を感じることができるのです。今わたしは将来に希望を持っています。
あなた自身または知人が虐待を受けているなら、今すぐ公的機関、児童福祉サービス〔訳注—児童相談所など〕、または成人福祉サービス〔訳注—警察やDV被害者相談、女性相談センターなど〕に助けを求めてください。また被害者支援サービス、カウンセリングまたは医療の専門家の支援を求めるのもよいでしょう。こうしたサービスはあなたを保護し、さらなる虐待を防ぐ助けとなるでしょう。さらに詳細な情報については「危険な状況にありますか」ページを参照してください。