「せいれいの声を聞く」『フレンド』2025年8月号,40-41
せいれいの声を聞く
「プライマリーで何を学んできたと思う?」とチムは言いました。
フィリピンでほんとうにあったお話です。
チムはねむい目を開けました。とうとう週末がやってきました!
「そろそろ起きないと,おくれるわよ」とお母さんが言いました。
チムはもっとねていたいと思いましたが,今日は市場の日でした。お母さんが1週間分の食料品を買うのを手伝わなくてはなりません。チムは起き上がると,急いで朝食を食べました。
お母さんはチムと二人の兄弟のためにたくさんのことをしてくれます。仕事でとてもいそがしく,家にいる時間があまりありません。チムときょうだいたちは協力して,ほとんどの家事を手伝いました。チムはお手伝いをするとうれしくなります。
チムとお母さんが市場からもどると,お母さんは仕事に出かけなければなりませんでした。お母さんが留守の間,チムと兄弟たちは日曜日のじゅんびをしました。チムは,あした教会に着ていくくつとズボンとシャツをそろえました。お兄さんのロビンが,チムがシャツにアイロンがけをするのを手伝ってくれました。それから,みんなで夕食を作りました。
チムが台所を片付けていると,お母さんが帰ってきました。お母さんはとてもつかれた顔をしていました。
「お母さん,どうぞ」と言いながら,チムは温かい食事の入ったおわんを差し出しました。
お母さんはにっこりしました。「今日は手伝ってくれてありがとう。とってもおいしそうね!」
次の朝,チムは早起きして教会の支度をしました。初等協会で友達に会い,イエス・キリストについて学ぶのが楽しみです。
チムは「お母さん?」と静かによび,ドアをノックしました。「今日は一緒に教会に行く?」
「行けないの」とお母さんが言いました。「今日の午後は仕事があるのよ。」
「そう。」チムは少し悲しくなりました。もうかれこれ1年,お母さんは一緒に教会に来ていません。「気を付けて運転してね。行ってらっしゃい」とチムはお母さんに言いました。
「行くじゅんびはできた?」と弟のマシューがたずねました。
「うん!」チムはくつをはき,兄弟たちと一緒にバスに乗ろうと走って出かけていきました。
教会の建物に入ると,チムは幸せな気持ちがしました。せいさんの間,チムはイエス・キリストについて考えようとしました。初等協会では,オルテガ姉妹のレッスンをいつにもまして一生懸命聞きました。
「今日は,せいれいについて学びます」とオルテガ姉妹は言いました。「せいれいはわたしたちに天のお父様からのメッセージをとどけてくださいます。ラジオみたいにね。」
チムは,オルテガ姉妹がかかげたラジオの写真を見ました。
「ラジオは,信号を受信し,それをわたしたちが聞くことのできる音波に変換することで音を伝えるのよ」とオルテガ姉妹は説明しました。「それを聞くには,正しいチャンネルに設定する必要があるの。せいれいの声を聞くときにも,心と思いを正しい方向に向ける必要があります。どうすればいいと思う?」
みんな考えていました。チムは,「イエス・キリストにしたがい,いましめを守る」と言いました。
オルテガ姉妹はにっこりしました。「そのとおり。」
教会の後,チムはまた夕食を作るのを手伝いました。手伝っている間,温かい気持ちがしました。家族に奉仕することで,正しい方向に心を向けてせいれいを感じられることが分かりました。
お母さんが家に帰ってくると,チムはお母さんをぎゅっとだきしめました。それから,食事のおいのりをして,食べ始めました。
「今日,教会で何を学んできたと思う?」とチムは言いました。チムは初等協会のことをお母さんに話すのが好きでした。
「何を学んだの?」お母さんが聞きました。
「せいれいについて学んだよ」とチムは言いました。「せいれいは,ラジオみたいなんだよ。いましめを守るとき,心を正しい方向に向けて主の声を聞くことができるんだよ。」
お母さんはうなずきました。「それはすばらしいわね!いましめを守るって,例えばどんなことなの?」
チムはにっこりしました。「お母さんのお手伝いをする!」チムは笑いました。「お母さん,大好きだよ。」
イラスト/ウラン・デュオ