Spiritual Message─指導者からのメッセージ
宣教師として奉仕する
わたしは、若い専任宣教師として赴任した最初の任地で、倉庫の2階を改築した小さなアパートに住みました。アパートの外にある階段を上がった先にあるわたしたちの部屋の前には、使い古した大きなソファーが置いてありました。この「外廊下のソファー」は、わたしと同僚にとって格好の毎日の聖典学習の場所でした。
宣教師としての奉仕を始めたばかりのわたしは、当時の伝道部会長から頂いた「レッスンプランとレッスンで使う聖句を暗記する」というチャレンジに真剣に取り組んでいました。聖句は小さなカードに書き出して、しばらくカードを眺めた後に目を外し、何度も何度も繰り返し声に出して読む、という学習方法を続けました。
そのソファーに腰掛けて勉強していると、アパートの前に広がる街並みと広い空の中に、少し離れた国際空港に着陸しようとしている降下中の旅客機が、うっすら見えたことがありました。
同僚が顔をあげて、わたしに質問をしました。「長老、あの旅客機はここからどのくらい離れているか、分かりますか?」不意を突かれたわたしは、「多分数百メートルくらいですか。そんなに離れていませんよね」と答えました。すると同僚はその答えを待っていました、と言わんばかりのにやけた顔で、わたしにこう答えました。「2年間ですよ、あなたにとっては。」わたしにとってその旅客機に乗るのは宣教師としての奉仕を終えたときであり、奉仕を始めたばかりのわたしにとってまだまだ先ですよ、そんな冗談だったのです。わたしは同僚と顔を見合わせて笑いました。
わたしにとって宣教師として奉仕する期間は短いものではありませんでした。しかしこれまでわたしが歩んできた人生を振り返っても、その期間は決して長いものではなく、毎日主の愛と導きを受けながら、福音をまだ知らない友人と地元の教会員のために奉仕する、とても充実した期間でした。批判され失敗して、自分の力が足りないことを痛感しましたし、主の贖いによって人々の生活が変わり、共に喜びの涙を流すこともしました。神権が神の力と権能であって、全ての神の子どもたちを癒し導くことができることも知りました。わたしは、わたしのことを待つ「愛する天の友」を見つけるために伝道に出て奉仕しましたが、天父と御子イエス・キリストはわたしに「友」を見つけるだけでなく、わたしの生涯にわたって導き手となり守りとなる「御霊を認識する力」と「証」を築くという、何にも代えることができない機会を与えてくださいました。
預言者ジョセフ・スミスは、福音を宣べ伝えることについて次のように宣言しました。「真理の旗が掲げられています。いかなる汚れた者の手も、この御業の発展を止めることはできません。迫害は威を振るい、暴徒は連合し、軍隊は集合し、中傷の風が吹き荒れるかもしれません。しかし神の真理は大胆かつ気高く、悠然と出で立ち、あらゆる大陸を貫き、あらゆる地方に至り、あらゆる国に広まり、あらゆる者の耳に達し、神の目的は成し遂げられるでしょう。かくして、大いなるエホバは、御業は成ったと告げられることでしょう。」青少年、若い兄弟姉妹の皆さん、皆さんはこの時代にとっておかれた特別な方々です。神の真理、回復された主イエス・キリストの教えをあらゆる国と地域に携えていくという特別なミッションを、皆さんの全ての時間と力と才能をささげる「宣教師として奉仕する」機会を通じて成し遂げることが出来ますように。そしてその機会が訪れるときに向けて、今備えることが出来ますように。わたしは天父と御子イエス・キリストが生きておられ、皆さんのことを、わたしたちが想像することも出来ないほどの大きな愛で包み込み、導いてくださっていることを証します。◆