Institute & YSA Gathering Place ─若い世代の経験
体が震え出しました
ぼくは北海道の釧路市で生まれ,実家で家族と一緒に暮らしていました。ぼくが25歳くらいの頃,兄が函館で改宗し,その直後に釧路の実家に宣教師が訪れました。家族皆が宣教師からレッスンを受けるようになり,母とぼくは2019年3月30日に改宗しました。
昨年の10月,ぼくは札幌神殿の職員として就職するために,11年間勤めたパン工場での仕事を辞め,札幌に引っ越してきました。引っ越しの手続きや家の片付けはすぐに終わりました。ベッド,小さなテーブルとテレビだけの,初めての一人暮らしが始まりました。
初出勤の日は,25歳から40歳までの独身成人を対象としたYSAカンファレンスから帰った翌日でした。仕事中に突然電話が鳴りました。カンファレンス後も札幌に残っていた名古屋出身の友人からでした。「今夜一緒にインスティテュートに行かないか?」と誘ってくれたのです。彼は兄のミニスタリングブラザーでもあった人で,明日のフライトで名古屋に帰る予定だと言います。その夜,ぼくは同じ世代の人たちと一緒に初めて対面で学び,クラスの後でパフェを食べながら語り合うという,とても楽しい時間を過ごしました。実は,初めての一人暮らしがとても寂しく感じられ,このままだと神殿で働いてアパートに帰るだけの生活になるのではと心配していたのです。なるべく友達と一緒に時間を過ごしたい,友達ができるきっかけになればと思い,ぼくは家庭の夕べやインスティテュートに出席するようになりました。
10月も終わりに近づいた頃だったと思います。その日は,インスティテュートハウスでYSAの家庭の夕べがある日でした。札幌はだいぶ気温も下がり,陽が落ちるのも早くて,仕事から帰ってきた5時くらいにはすっかり暗くなっていました。まだ慣れない仕事で疲れていたぼくは,いつものようにスーツを脱いで,ふとんにもぐりこみました。
6時頃まで仮眠を取って,それから準備して6時半くらいに出発したら,7時の開会に間に合います。部屋は10℃を下回っていて寒かったのですが,すぐ起きるつもりだったのでエアコンはつけずに,2枚重ねの茶色の毛布にくるまりました。
そうしたら,思ったより深く寝入ってしまったようで,はっと気づいたらもう7時くらいになっていたんです。しまった,寝すぎてしまったなと焦りました。今から行っても家庭の夕べは始まっているだろうし,行くかどうしようかと迷いました。面倒くさいからこのまま寝ちゃおうかな,そう思ったときでした。
不安に襲われて
突然,手や足,体全体が震え出して,ぞくぞくと寒気のような不安が襲ってきたのです。たった20秒くらいの一瞬のことでしたが,それは,熱が出たときや体調が悪いときの感覚とはまったく違う,これまで経験したことのない緊迫感を伴うものでした。
まずい! これは家庭の夕べに行った方がいいな,このままでいたら大変なことになる,孤独死するかもしれない。そんな直感がありました。ここで寝てしまったら霊的に弱くなるんじゃないか。面倒だから行かないという道を選んでしまったら,それが習慣づいてしまうんじゃないかとも思いました。寝ていたらだめだ! ぼくは毛布をはぎ取り,急いでジーンズとパーカー,その上にジャンバーを着て家を飛び出し,駅まで走っていきました。たとえ間に合わなくても,なるべく早く行った方がいいと思ったのです。走り出すと不安な気持ちは次第に弱まり,地下鉄で大谷地駅から大通駅に向かっているときには,心はだいぶ落ち着いてきました。そして電車から降りると,また一刻でも早くと仲間のもとへ走りました。
インスティテュートハウスに到着したのは7時半頃でした。20人くらいのYSAが集まっていて,食事をしながら談笑していました。仲間たちから「遅かったね。どうしたの?」と尋ねられたので,「いや,疲れて寝ていたんだけど,寝過ごしてしまって。間に合わないからまた寝ようとしたんだけど,急に体中が震え出して,死んじゃうといけないと思って急いで来たんだ」と,たった今経験したことを話しました。仲間たちは「そうなの!」って,ぼくの話を信じてくれました。皆の顔を見たら安心してうれしかったのを覚えています。
孤独を感じない今
今ではすごく体調の悪い日以外は,月曜日は家庭の夕べ,火曜日は対面のインスティテュートに出席し,仕事と都合が合えば木曜日のインスティテュートやワンデーユニット※にも参加しています。土曜日は仲間とカラオケに行ったり,一人暮らしのコツを教わったり,YSAカンファレンスで知り合った友人や教会外の友人とも遊んだりしています。ぼくは教会に入ってまだ6年くらいですが,交友関係が広がって楽しく過ごしています。もしあの日,YSAの家庭の夕べに行っていなかったら,アパートと職場の往復と,大谷地ワードやYSAワンデーユニットに集うくらいで,友達も多くはなかったでしょう。
ぼくはどちらかというと直感で動くタイプですが,突然体が震えたあの夜のことを思い返すと,定かではないですが,あれは御霊だったのかな,と思うのです。◆