セミナリー
詩篇の紹介,第1部:詩篇におけるイエス・キリストについての預言


「詩篇の紹介,第1部:詩篇におけるイエス・キリストについての預言」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』(2026年)

「詩篇の紹介,第1部:詩篇におけるイエス・キリストについての預言」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』

詩篇1-2篇;8篇;19-33篇;40篇;46篇:第100課

詩篇の紹介,第1部

詩篇におけるイエス・キリストについての預言

An open hymnbook with a violin in the background.

あなたの好きな賛美歌から,イエス・キリストについてどのようなことが分かりますか。何世紀にもわたり,音楽家や詩人は救い主に対する気持ちを賛美歌で表現してきました。現代の多くの賛美歌と同様に,詩篇の中には救い主の生涯と使命について教え,証するものもあります。この課は,詩篇で預言されているイエス・キリストの生涯と使命について,生徒がより良く理解するのを助けます。

生徒の準備:生徒に,好きな賛美歌がどのようにイエス・キリストについて教え,証しているかを深く考えてもらいます。イエス・キリストについての好きな賛美歌をクラスで発表する準備をしてきてもらいましょう。好きな賛美歌がないと感じている生徒には,賛美歌集に目を通し,イエス・キリストについて教えている歌を探すように招きます。

学習活動案

賛美歌はイエス・キリストについて教えている

セミナリーのアイコンクラスで神聖な音楽を用いると,敬虔な雰囲気が生まれ,聖霊を招き,一体感が増します。また,賛美歌のメッセージを生徒が学んでいる真理と結びつけるために音楽を用いることもできます。

この課の冒頭で神聖な音楽を用いてもよいでしょう。一つの方法として,生徒に『賛美歌』を検索してもらいましょう。生徒に「イエス・キリスト」というテーマの賛美歌を一つ選んでもらいます。生徒がその賛美歌の歌詞を読み,深く考えるための時間を取ります。曲と歌詞の下にある作者の名前と参照聖句を指摘してもよいでしょう。以下の質問を見せ,生徒に二人一組で答えを分かち合ってもらいます。

(神聖な音楽の使用に関するそのほかの訓練については,『教師養成スキル』の「学習者が聖霊から教えを受けられるような環境と機会を作る」を参照してください。)

  • この賛美歌の言葉から,救い主とその生涯についてどのようなことを学べますか。

  • 救い主についての賛美歌で,あなたにとって特別な意味を持つものはほかにありますか。もしあれば,それはなぜですか。

今日研究しながら,イエス・キリストについて教え,証する言葉や音楽の力を感じられるように,聖霊を招きましょう。

詩篇

詩篇は祈り,詩,賛美歌を集めたもので,現代の賛美歌集と似ている点があります。

生徒たちに,詩篇を開くように言います。2分から3分の時間を取り,生徒に詩篇の幾つかに目を通して全体の印象を捉えてもらいます。

  • この書に目を通すとき,詩篇のどのような点がユニークだと気づきますか。

  • この書についてどのような疑問がありますか。

詩篇3篇に素早く目を通し,セラという言葉を見つける度に印をつけましょう。セラの意味は定かではありませんが,歌い手や読者に(音楽での休符のように)一旦間を置いて熟考するようにという合図だったのかもしれません。

詩篇3篇を読み,セラという言葉を読む度に間を置きます。これらの節について深く考えることができるよう,聖霊を招きましょう。

  • なぜ作者は,これらの箇所で一旦間を置いて熟考してほしいと思ったのでしょうか。

  • これらの箇所で深く考えることは,今日の10代の若者にとってどのように助けとなり,慰めとなるでしょうか。

クラスの質問や経験に応じて,次の一部または全部を簡潔に指摘するとよいでしょう。

  • 詩篇の多くは,ダビデなど特定の作者によるものです(詩篇3篇)。作者が分かっていない詩篇もあります(詩篇1篇参照)。

  • 詩篇の至る所に,ヘブライ語の詩的要素が見られます。

    • 並行法とは,二つ以上の行が関連する考えを共有する詩のことです(詩篇29:4参照)。

    • 反復表現は,行を繰り返すことによって強調するヘブライ語の詩の手法です(詩篇150篇の「主をほめたたえよ」など)。

  • ヘブライ語では,詩篇119篇が折句詩の一例です。折句詩は,各行の最初の文字を使用して単語またはヘブライ語のアルファベットをつづります。

  • 詩篇は新約聖書の中で115回以上引用されています(詩篇6:8およびルカ13:27参照)。

  • 最後の晩餐の後,イエスと弟子たちは賛美歌を歌いました(マタイ26:30参照)。これは恐らく,詩篇113-118篇,つまり過越で伝統的に歌われる賛美歌「ハレル」であったと思われます(see Merrill J. Bateman, “The Power of Hymns,” Ensign, July 2001, 17)。

ルカ24:44を読み,復活後間もない救い主が,詩篇について弟子たちに教えられたことを見つけます。

詩篇に記されている最も重要なメッセージの一つについて,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド会長は次のように教えています。

Official Portrait of Elder Jeffrey R. Holland.  Photographed January 2018.

「イエス御自身が,旧約聖書のどの文章よりも多く詩篇を引用されました。……すべての聖典の中で,詩篇の歌に表現されているように,メシヤの使命やメシヤの再臨を待ち望む気持ちについて,これほど広範囲に述べられているものはないと言えるでしょう。」(For Times of Trouble: Spiritual Solace from the Psalms [2012], 7–8)

  • ルカ24:44とホランド会長からどのようなことを学びましたか。なぜ詩篇を研究する価値があるのでしょうか。

詩篇の研究によって,わたしたちはイエス・キリストの生涯と使命について学ぶことができることを生徒が認識できるように助けてください。この真理をホワイトボードに書くとよいでしょう。

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇にあるイエス・キリストの生涯と使命に関する預言的な言葉の幾つかを生徒が理解できるよう,以下の参照聖句の一部または全部を提供します。以下は,クラスでこれらの聖句を研究する方法の例です。

  • 聖句の組み合わせを細長い紙に書き,それぞれの紙を教室のあちこちに置きます。生徒が教室の中を歩き回り,聖句の預言や成就を幾つか読める時間を設けます。

  • 聖句の組み合わせを加えて混ぜ,生徒に詩篇の預言とその成就を正しく組み合わせてもらいましょう。

  • 詩篇の聖句だけを見せます。生徒に,脚注やそのほかの聖文研究ツールを使って,それぞれの預言を成就する箇所を救い主の生涯から見つけてもらいます。

詩篇はイエス・キリストについて預言している

預言が成就する

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇22:1

預言が成就する

マタイ27:46

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇22:7-8

預言が成就する

マタイ27:41-43

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇22:16

預言が成就する

教義と聖約6:36-37

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇22:18

預言が成就する

ヨハネ19:23-24

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇31:5

預言が成就する

ルカ23:46

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇34:20

預言が成就する

ヨハネ19:31-36

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇41:9

預言が成就する

ルカ22:47-48使徒1:16-17

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇69:20-21

預言が成就する

ヨハネ19:28-29

詩篇はイエス・キリストについて預言している

詩篇118:22

預言が成就する

使徒4:10-12

あなたや愛する人が直面する状況で,これらの預言から救い主の生涯や使命について学んだことを知ることが役に立つ場面を思い浮かべてください。考えたことを学習帳に書き留めてください。

生徒が幾つかの預言の成就を視覚化できるように,救い主の生涯の出来事を描いたビデオを見せるとよいでしょう。例えば,ChurchofJesusChrist.orgの「わたしの国はこの世のものではない」(タイムコード0:00-3:18)を使うことができます。このビデオは,詩篇22:1,7-8,16の預言を説明するものです。

5:22

ビデオの視聴中に,詩篇で預言されている出来事に気づいた生徒には手を挙げてもらいます。ビデオを一時停止して,救い主の生涯におけるこの瞬間について,だれかに理解してほしいと思うことを生徒に発表してもらうとよいでしょう。

イエス・キリストの生涯

詩篇で預言されている救い主の生涯と使命について,理解していることを生徒に示してもらいます。生徒に二人一組,少人数のグループ,あるいはクラス全体で次の質問について話し合ってもらうのも一つの方法です。

詩篇の預言の中から,特に意義深いと思ったものを一つ選んでください。

  • この預言は,イエス・キリストについてどのようなことを教えているでしょうか。

  • 主について学んだことを知っておくのは,なぜ大切なのでしょうか。

イエス・キリストの生涯と使命について,あなたの証を分かち合うとよいでしょう。今後数週間,詩篇を研究しながら,引き続きイエス・キリストに言及している箇所を探すよう生徒を招くとよいでしょう。クラスの締めくくりとして,生徒が選んだ救い主に関する賛美歌を歌ったり聴いたりするのがよいかもしれません。

第101課:「詩篇の紹介,第2部」では,生徒が詩篇の作者たちのように,天の御父とイエス・キリストへの愛と献身を表現します。生徒には,今からこのことについて考え始めてもらうとよいでしょう。天の御父とイエス・キリストについてどのように感じるか,またその気持ちをどのように表現するかを深く考えてもらいます。