「創世19章:『うしろをふりかえって見てはならない』」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』
「創世19章:『うしろをふりかえって見てはならない』」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』
創世18-23章:第26課
創世19章
「うしろをふりかえって見てはならない」
主は常に,わたしたちの生活に存在する悪の影響について心配してくださっています。ロトの家族は,ソドムの町で自分たちを取り巻く悪の影響を受けました。この課は,生徒が生活の中で悪の影響を避けて,天の御父とイエス・キリストによりよく従えるようにします。
生徒の準備:天の御父とイエス・キリストに従うことを妨げるような影響や誘惑について生徒に考えてもらいます。生徒に,なぜこれらの障害を自分の生活から取り除く必要があるのかと,それを取り除く方法について考えてもらいます。
学習活動案
小さな選択,大きな結果
七十人定員会のマッシモ・デ・フェオ長老は,わたしたちの選択が及ぼす影響について重要な真理を次のように話しています。
「わたしたちが日々下す決断は,小さなものに見えるかもしれませんが,必ず現実に意味を持ち,良いにせよ悪いにせよ,大きな結果をもたらします。」(「小さな選択,大きな結果」『リアホナ』2019年8月号,14)
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小さな選択が大きな結果をもたらす例として,どのようなものがあるでしょうか。
必要に応じて,わたしたちが使用するメディアやわたしたちが選ぶ友達のタイプ,聖文研究や教会への出席,祈りについての選択など,幾つか例を紹介してください。そのほかの,より生徒の実情に沿った例を提示してもよいでしょう。生徒に,これらの選択が良くも悪くも,どのように大きな結果をもたらすか話し合ってもらいます。
その後,生徒が今日のレッスンに霊的に備えられるよう,次の事柄を伝えてください。
あなたが現在行っている選択が,天の御父とイエス・キリストのもとへと導いているか考えてください。また,あなたをお二人から遠ざける可能性のある選択についても考えてください。聖文を研究しながら,自分が何をしたら天の御父とイエス・キリストに近づくことができるかについて,あなたが受ける霊的な印象に注意を払い、書き留めてください
ロト,ソドムに天幕を移す
旧約聖書には,アブラハムの甥のロトという人の話が書かれています。ロトとその家族はソドムの町に住んでいましたが,ソドムは非常に邪悪な町として知られていました(創世13:13;18:20;エゼキエル16:49-50;ユダ1:7-8参照)。ロトとその家族がソドムに住むきっかけとなったのは,一見小さな選択でした。
生徒に,ロトがソドムに住むきっかけとなった状況について知っていることを発表してもらいます。必要に応じて,以下の内容を説明してもよいでしょう。
アブラハム,ロト,およびその家族がエジプトからカナンの地に移った後,アブラハムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちの間で,放牧地について意見の相違が生じました。さらなる対立を避けるため,アブラハムとロトは家族を分け,それぞれ別々に住む場所を決めました(創世13:8-9参照)。
以下の節をクラス全体で読む代わりに,二人一組で活動に取り組んでもかまいません。二人一組で聖句を読み,ロトとアブラハムの行動を描いた絵を描くとよいでしょう。
創世13:10-13,18を読み,それぞれの家族がどこに住むことに決めたかを見つけてください。(これらの節で,「アブラム」はアブラハムを指しています。創世17:5に記録されているように,主は後に彼の名前をアブラハムに変えられました)。
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両家族の決定には,どのような違いがあったでしょうか。
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ロトがソドムに天幕を移した決断と似たような現代の決断には,どのようなものがあるでしょうか。こうした状況で,あなたならどのような助言をするでしょうか。
ロトが天幕をソドムに移すことに決めたのと似たような現代の決断について,生徒がなかなか例を思いつかない場合は,幾つか例を紹介しましょう。その後,その状況に対する助言を生徒に考えてもらってもよいでしょう。例としては,汚い言葉を使う,不適切な内容のメディアを選ぶ,服装や慎み深さの基準を下げる,救い主の教えに敬意を払わない友達と時間を過ごす,などが挙げられます。
ソドムとゴモラの滅亡
ロトとその家族は,ソドムに天幕を移しただけにとどまりませんでした。やがて,彼らはソドムに引っ越し,「ソドムに住んだ」(創世14:12;強調追加)のです。
生徒に,聖典の創世14:12と創世13:12を相互参照してもらいます。生徒がこの課の授業で絵を描いていた場合は,ロトの新しい居住地を反映するように自分の絵を更新してもらってもよいでしょう。
ソドムと近くのゴモラの町に住む人々は,彼らに警告するために主が遣わされた預言者たちを拒みました(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』203参照)。主は憐れみをもって使者をソドムに遣わし,町が破壊される前にロトとその家族にそこを立ち去るよう警告されました(創世19:12-13参照)。民は預言者を拒み,悪事を続けたために滅ぼされました。
創世19:14-19,24-26を読み,ロトとその家族がすぐさま町を離れるようにという指示に対してどのように反応したかを見つけてください。
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この聖句で心に残ったのはどんなことですか。それはなぜですか。
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この聖句から,主についてどのようなことが分かるでしょうか。
また,現在学んでいることで,少しぐらい悪いことをしても,大したことではないと思っている人の助けとなることは何か,生徒に尋ねてもよいでしょう。
ロトの妻がなぜ「塩の柱」になったのか(26節)を生徒が理解できるよう,ロトの妻は単にソドムを振り返っただけでなく,ソドムに戻った可能性があることを説明するとよいかもしれません(ルカ17:28-32参照)。また,ジェフリー・R・ホランド会長の次の言葉を紹介してもよいでしょう。
十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド会長は,ロトの妻が「塩の柱」(26節)になったことについて,考えられる理由を次のように述べています。
「ロトの妻が犯した間違いは,単に振り返っただけではなく,帰りたいと心で願ったことのように思われます。
ロトの妻は,主が残していくようにと言われたものを惜しんで,主を恨みながら振り返ったのかもしれません。」(“Remember Lot’s Wife”〔ブリガム・ヤング大学ディボーショナル,2009年1月13日〕,2,speeches.byu.edu)
次の質問について,生徒に二人一組または少人数のグループで話し合ってもらってから,答えを発表してもらうとよいでしょう。
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ロトとその家族は悪い影響を受けやすい場所に近づいていったり,罪深い行いを惜しんだりした結果重大な結果を招きました。彼らの話から学べることで,あなたが人生で直面する状況に応用できる真理はどのようなものがありますか。
生徒は,次のような真理を見つけて,それを自分の言葉で話せるとよいでしょう。
一見小さなことであっても,悪い影響を生活に招き入れると,わたしたちはイエス・キリストから遠ざかってしまう可能性がある。
イエス・キリストの弟子として,わたしたちは悪事から逃れ,振り返ってはならない。
生徒がこれらの真理の重要性をよりよく理解し,感じられるように,次のような質問について話し合うとよいでしょう。
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天の御父とイエス・キリストからあなたを遠ざける可能性のある,一見小さなことに気づくには,どのようなことが役立つでしょうか。
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救い主は,わたしたちが過去の過ちを捨てて,信仰をもって前進できるよう,どのように助けてくださるでしょうか。
生徒に,自分が話し合っている真理に関連する経験を話してもらいましょう。あなたが自分の経験を話してもよいでしょう。
自分の人生に応用する
生徒がこれまで学んだ真理を応用するために,次の指示と質問をしましょう。神が自分に起こしてくださる変化に気づけるよう,神からの霊感を求めるよう生徒に勧めます。
今日学習した結果,あなたはどのような行動を起こそうという気持ちになりましたか。学習帳に,自分がいつ,何を行うかについての計画を書いてください。必要に応じて,以下の質問を参考にすると,計画を立てるのに役立つでしょう。
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あなたが現在している一見小さな決断で,最終的に天の御父とイエス・キリストからあなたを遠ざけかねない事柄にはどのようなものがありますか。それをどのように変えますか。
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過去の過ちを捨てて,イエス・キリストへの信仰をもって前進するために,あなたは何をしますか。
今日研究した真理を証してください。自分の計画に従って行動するよう生徒を励まします。