「ヨシュア2-4章:イエス・キリストに対する信仰を働かせる」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』(2026年)
「ヨシュア2-4章:イエス・キリストに対する信仰を働かせる」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』
ヨシュア1-8章;23-24章:第62課
イエス・キリストに対する信仰を働かせる
イスラエルの民が荒野を旅した後,主はヨシュアに彼らを約束の地に導くよう命じられました。約束の地に入るためには,イエス・キリストに対する信仰を働かせる必要がありました。イスラエルの子らとラハブという女性は,イエス・キリストへの信仰を示しました。この課の目的は,どうすればイエス・キリストへの信仰を働かせられるかを生徒が理解できるようになることです。
生徒の準備: 生徒に,イエス・キリストに対する信仰を持つことの意味を理解するのに役立つ聖句を見つけてもらいます。そして,見つけたことを発表する準備をして来てもらいましょう。必要に応じて,『聖句ガイド』で「信仰」を調べてもかまいません。
生徒の一人に,バスケットボール や歌うこと など,自分の趣味や興味を表す言葉を考えてもらって,授業を始めるとよいでしょう。生徒に,その言葉自体を使わずに,その言葉を説明してもらいます。そして,他の生徒に,その言葉が何かを当ててもらいます。
次に,ホワイトボードに「信仰」と書き,生徒にイエス・キリストに対する信仰を説明してもらいます。授業に臨む準備をしていて見つけたことを話してもらうとよいでしょう。天の御父は,わたしたちを救い,祝福することができるように,わたしたちがイエス・キリストに対する信仰を働かせることを望んでおられることを指摘するとよいでしょう(2ニーファイ26:13 ;エテル12:12,18 ;モロナイ7:33 参照)。
聖霊の役割の一つは,わたしたちを真理に導くことであることを生徒に思い出してもらいましょう(ヨハネ16:13 参照)。イエス・キリストに対する信仰をより深く理解できるように,聖霊を招くよう生徒を励まします。
イエス・キリストに対する信仰についての十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老の教えを読んでください。ChurchofJesusChrist.org
33:37
「使徒パウロは『信仰』を『望んでいる事がらを確信し,まだ見ていない事実を確認することである』と定義づけました(ヘブル11:1 )。アルマは,信仰とは物事を完全に知ることではなく,もし信仰があればわたしたちは『まだ見ていない〔けれども〕真実のことを待ち望む』と述べています(アルマ32:21 )。また,Lectures on Faith には,信仰とは『全ての英知ある者に行動を促す力である』とあります。
これらの教えは,信仰の3つの基本要素,つまり,(1)待ち望む事柄が真実であることを確信 させる,(2)まだ見ていないことを確認 させる(または確証を与える),(3)全ての英知ある者に行動 を促す力となる,ことを強調しています。ここで,救い主を信じる信仰におけるこの3つの要素を,未来に備え,過去を振り返り,現在において行動するという観点から説明します。信仰が,未来,過去,現在の事柄に同時に作用する点に注目してください。」(「信仰によって学ぶ望みを持つ 」『リアホナ』2007年9月号,17-18)
画像「イエス・キリストに対する信仰を働かせる 」は,ベドナー長老によるイエス・キリストに対する信仰の定義を生徒が理解するのに役立ちます。ホワイトボードにその絵を描くか,授業中生徒が参照できるように表示します。
神がこれまでにしてくださったどのようなことがきっかけで,あなたは神への信仰を持てるようになったのですか。
神の約束された祝福に希望を持つと,神に対する信仰を働かせるのにどのように役立つでしょうか。
イエス・キリストへの信仰に関するベドナー長老の教えをどのように要約しますか。
生徒が次のような真理を見つけられるよう助けます:わたしたちは未来に目を向け,過去を振り返って,現在行動するときに,イエス・キリストへの信仰を働かせる。
ヨシュア2-4章 の物語には,イエス・キリストに対する信仰を働かせるための要素が一つ以上示されています。
生徒がこれらの話を研究するのを助けてください。一つの方法は,章ごとの学習スペースを作ることです。配付資料「ヨシュア2-4章から学ぶ,イエス・キリストに対する信仰の模範 」の1つのセクションを,教室の3つの異なる場所に置くとよいでしょう。生徒には各ステーションを順番に回って,配付資料の指示に従ってもらうとよいでしょう。大人数のクラスでは,セクションごとに複数の学習ステーションを設けるとよいでしょう。生徒はこの活動に,個人で参加しても,少人数のグループで参加してもかまいません。
できれば,各学習ステーションに以下のものを表示してください:
エリコの民の滅亡について生徒が疑問を持っている場合は,第63課:「ヨシュア23-24章 」のそのほかのリソースの項にある「カナンびとはなぜ滅ぼされたのだろうか」という質問を参照するとよいでしょう。
十分に時間を取った後,イエス・キリストに対する信仰について学んだことをクラスで発表してもらいましょう。生徒に赤い糸,靴,石を持って発表してもらってもよいでしょう。以下のような質問が役立つかもしれません。
自分や知人が,未来を向き,現在において行動し,過去を振り返ることで,どのようにイエス・キリストに対する信仰を働かせたかを,生徒に発表してもらうとよいでしょう。また,イエス・キリストに対する信仰を働かせたことについての個人的な経験を分かち合ってもよいでしょう。
十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,次のように教えています。
33:37
「待ち望む事柄を確信させる信仰は,未来に目を向けさせます。
キリストを信じる信仰を持てば必然の結果として,キリストを通して贖いと昇栄を得ることを希望するようになります。確信と希望があれば,光の照らすところから,暗闇である未知の領域の入り口まで歩いて行き,足を踏み出すことができます。光が移動して来て道を照らしてくれることを望み,信じるからです。そのような確信と希望が一つになって,現在の行動を促してくれるのです。
見ていないことを確認する(または確証を得る)信仰は過去に目を向けさせます。そしてその過去の事実から,わたしたちが示した神への信頼が正しかったということ,また,見ていなくても真実であると信じていた事柄がまさにそのとおりだったということが分かります。確信と希望をもって闇に足を踏み入れたとき,光が実際に移動して道を照らしてくれたという確証を得るのです。信仰が試された後に証を得ると(エテル12:6 参照),それは見ていない事柄に対する確認となり,確信が強められるのです。
この確信と行動と確認(確証)は,同時進行で互いに影響を及ぼし合います。この3つはらせん状のコイルと同じで,渦を巻いて上昇しながら,膨らみ,広がっていきます。確信と行動と確認(確証)という信仰の3つの要素は,それぞれ独立しているのではなく,相互に作用しながら絶えず上昇するのです。この上昇過程を促す信仰は発展し,進化し,変化していきます。不確かな未来に再び立ち向かうとき,確信は行動を促し,行動が確証を生み出して,それによって確信がさらに増します。こうして,教えに教え,訓戒に訓戒を加えて,ここにも少し,そこにも少しと,自信が増していくのです。」(「信仰によって学ぶ望みを持つ 」,『リアホナ』2007年9月号,18-19)
十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド会長は,次のように説明しています。
「過去はそこから学ぶものであって,生きる場所ではありません。振り返るのは,燃え尽きて灰となった経験からではなく,まだ熱の残る経験から最高のものを学ぶためです。そうして必要なことを学習し,最高の経験を生かしたら,将来に目を向け,信仰が常に将来を指し示している ことを覚えていてください。祝福を受けるとき,真理を悟るとき,これからの 人生で思いどおりの結果を出せたとき,そこにはいつも信仰があります。」(「最善はこれからだ 」『リアホナ』2010年1月号,18)
ラッセル・M・ネルソン大管長は,次のように招いています。
「あなたにもっと 信仰があれば,何をするでしょうか。考えてみてください。それについて書いてください。その後,何か信仰をもっと必要 とすることを行うことによって,信仰をもっと深めて ください。
イエス・キリストを信じる信仰は,この人生でわたしたちが得られる最大の力 です。信じる者は,どんなことでもできます。
主を信じる信仰が育つと ,山を動かすことができます。地球を彩る岩の山ではなく,人生における苦悩の山を動かすことができるのです。信仰が花開けば ,問題を比類のない成長と機会に変えられるようになります。」(「キリストはよみがえられた—キリストを信じる信仰は山を動かす 」『リアホナ』2021年5月号,103,104)
大管長会のヘンリー・B・アイリング管長は,次のように宣言しています。
「兄弟姉妹の皆さん,主の戒めに従うには,信仰が必要です。主に代わって人に仕えるには,イエス・キリストを信じる信仰が必要です。御霊の声を感じることができない人や,メッセージの現実性すら認めないであろう人に主の福音を教え,伝えるために出て行くには,信仰が必要です。しかし,わたしたちがキリストを信じる信仰を働かせ—そして主の生ける預言者に従うとき—世界中で信仰が増すでしょう。」(「求め,そして行動する信仰 」『リアホナ』2021年11月号,75)
自分自身を聖めると,イエス・キリストに対する信仰を働かせ,奇跡を経験するのにどのように役立つかを研究すると,生徒のためになるかもしれません。ヨシュア3:5 を読んでください。その後,ビデオ「自らを聖めなさい 」(4:37)を見せるとよいでしょう。主が若くて立派なメルキゼデク神権者をどのように使って奇跡を行われたかについて,生徒に見つけてもらいます。その後,自らを聖めるとはどういう意味で,そのことがなぜわたしたちに主の奇跡を経験する資格を与えてくれるのかを話し合ってください。必要に応じて,聖めるとは,聖なる,あるいは霊的に清くするという意味であることを生徒が理解できるように助けます。
4:38
以下は,生徒がイエス・キリストへの信仰を働かせ,力強く進むときに,イエス・キリストに目を向ける助けとなるでしょう。生徒に,ヨシュア3:6-16 を読んでもらい,祭司たちが契約の箱をどうしたかを見つけてもらいます。
契約の箱はイエス・キリストを象徴していることを生徒に思い出してもらいましょう。その後,生徒にもう一度聖句を見てもらい,イエス・キリストについて何が学べるかを考えてもらいます。イエス・キリストがわたしたちに先立っておられるという信仰を持つとき,わたしたちどのように力強く進み,奇跡を期待できるかについて話し合います。ヨシュア3章 のこれらの節を,イザヤ52:12 および教義と聖約84:88 と相互参照するとよいでしょう。
生徒が自分自身の信仰の記念品や模範を見つけられるように助けるとよいでしょう。ヨシュア4章 を研究した後,自分の家族やあなたの国の末日聖徒が残してきた信仰の伝統について生徒に考えてもらうとよいでしょう。生徒には,親や祖父母と話したり(授業中に連絡を取ることも可),ファミリーツリーアプリを使ったりして家族の思い出を見つけてもらってもよいでしょう。また,重要な霊的経験をした場所についても考えてもらうとよいでしょう。
あるいは,ChurchofJesusChrist.orgの世界各地の教会歴史 で,あなたの国における忠実な末日聖徒の話を探してもらってもよいでしょう。
生徒に,見つけたことを発表してもらいます。
生徒が今の研究内容をモルモン書に関連づけられるように,エテル12:6 を読んでもらいましょう。なぜ,証は多くの場合,信仰の試しの後に与えられるのかを話し合ってください。ラハブの生涯に,このことがどのように当てはまり(ヨシュア2章 ;ヨシュア6:25 参照),ヨルダン川を渡るイスラエルの民にもどのように当てはまるか(ヨシュア3章 参照)を生徒に話し合ってもらいましょう。生徒に,信仰が試された後に証を得たときの経験を分かち合ってもらいます。