「出エジプト14章:『恐れてはならない』」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』(2026年)
「出エジプト14章:『恐れてはならない』」『旧約聖書 セミナリー教師用手引き』
出エジプト14-18章:第45課
出エジプト14章
「恐れてはならない」
紅海とパロの軍勢の間に挟まれ身動きが取れなくなったときのイスラエルの民が感じたのと同じように,わたしたちは時に絶望を感じることがあるかもしれません。しかし,そんな彼らに対するモーセの勧告は,今日のわたしたちにも当てはまるものです。「あなたがたは恐れてはならない。かたく立って,主がきょう,あなたがたのためになされる救を見なさい」(出エジプト14:13)。この課では,生徒が強さと助けを得るために,主に信頼を置きたいと願う気持ちになれるよう助けます。
生徒の準備:生徒に,出エジプト14:13-14を研究して,自分の生活の中でこれらの節が役立ちそうなことを考えてもらいます。
学習活動案
試練に囲まれて
生活の中にある,強い不安を感じ,追い詰められたと感じるような困難について,生徒がじっくり考えられるようにしましょう。これを行う一つの方法として,中央日曜学校会長会のミルトン・カマルゴ兄弟の次の言葉を分かち合いましょう。カマルゴ兄弟の父親の助言を,ホワイトボードの中央に書くとよいでしょう。
中央日曜学校会長会第一顧問のミルトン・カマルゴ兄弟が,父親からの助言を分かち合います。
「父はよくわたしにこう言ったものです。『解決策が見えなくなるほど問題に集中してはいけないよ。』」(「イエス・キリストに焦点を当てる」『リアホナ』2023年5月号,64)
カマルゴ兄弟の父親は何を教えようとしていたと思うか,生徒に発表してもらいましょう。次に,ホワイトボードに書かれた文の周りに,解決策を見つけるのが難しいと思われる問題,課題,または試練を書いてもらいます。
そして次の一つ目の質問に,声を出して答えてもらいましょう。二つ目の質問については,静かに答えを深く考えるよう招くのが賢明かもしれません。
直面している問題には解決策がないと感じたときのことを深く考えてみましょう。
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そのような状況での対応として考えられるのはどのようなことでしょうか。
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あなたがそのような状況に置かれたら,どういう対応をとることが多いですか。
今日,出エジプト14章を研究しながら,困難や試練に直面するとき,あるい困難や試練に対して備えるときに,主を信頼したいという望みが強くなるよう,聖霊からの霊感を求めましょう。
イスラエルの民が置かれた苦境
出エジプト14章にあるイスラエルの民の状況を生徒が理解できるように,末日聖徒の合本または「福音ライブラリー」の「学習ヘルプ」にある,「聖書の地図」の地図2を見せるか,各自で開いてもらいましょう。次の段落を紹介しながら,生徒にピハヒロテ(#3)の位置を地図上で見つけてもらいます。
イスラエルの子らがエジプトを去ったとき,主はモーセに,彼らをピハヒロテに連れて行くよう命じられました(出エジプト14:2)。イスラエルの民を解放して間もなく,パロは「荒野が彼らを閉じ込めた」(出エジプト14:3)ことに気づき,心をかたくなにして民の後を追いました。
十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド会長は,イスラエルの民が置かれた状況について次のように説明しています。
「イスラエルの子ら〔は〕……恐ろしい境遇〔に置かれていました。〕……背後からは戦車が迫っており,周囲は砂丘で囲まれ,目の前は海でした。この場合,文字どおり生死の問題でした。」(「確信を放棄してはいけない」『リアホナ』2000年6月号,39)
生徒がこの話をイメージしやすいように,次の紅海の画像を見せるとよいでしょう。自分がこのときイスラエルの民の中にいたと想像してもらいます。
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このような状況で,あなたならどのように対応していたでしょうか。
生徒たちに,自分たちの置かれた状況に対するイスラエルの民の反応と,モーセの反応を比較してもらいましょう。聖文に登場する人物,教え,出来事の類似点と相違点に注目することは,聖文研究の重要なスキルです。こうした比較は,ほかの方法では見えないような重要な福音の真理を,生徒自身で見いだす助けとなります。比較するスキルについて簡単に説明してもよいでしょう。次の学習活動で,生徒に練習してもらいます。
学習帳に表を作成し,二つの列を描きます。片方の列に「イスラエルの民」と書き,もう片方の列には「モーセ」と書きます。
出エジプト14:10-14を読んで,イスラエルの民の発言とモーセの発言を見つけましょう。見つけたものを要約して,該当する列に書き込みます。
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このような状況で,イスラエルの民は何に着目しましたか。モーセは何に注目したでしょうか。
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彼らの発言を比べることで,どのような点に気づきましたか。
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この話からあなたは,困難に直面したときの助けとなる,どのようなことを学びましたか。
生徒が発表する可能性のあるそのほかの真理の中で,次の点に目を向けてもらいましょう:イエス・キリストに焦点を当てることで,困難や試練の最中でも希望を増し加えることができます。
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困難や試練にのみ焦点を当てると,どのような問題が起こると思いますか。
イエス・キリストに心を向ける
この課の冒頭にあるカマルゴ兄弟の言葉の続きを分かち合いましょう。
カマルゴ兄弟は,イエス・キリストに心を向けることの力について,次のように述べています。
「父はよくわたしにこう言ったものです。『解決策が見えなくなるほど問題に集中してはいけないよ。』
主イエス・キリストは,わたしたちの最も困難な問題に対しても解決策であられることを証します。」(「イエス・キリストに焦点を当てる」『リアホナ』2023年5月号,64)
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困難や試練が重なったり,身動きが取れなくなったと感じるときに,イエス・キリストに心を向けることが助けになるのはなぜだと思いますか。
カマルゴ兄弟の教えを実際に体験してもらうために,まずホワイトボードに書かれた問題に生徒の意識を集中してもらいましょう。30秒間,書かれている問題に心を向けてもらいます。それから,どのように感じたかを深く考えてもらいましょう。
次に,教室の一番前にイエス・キリストの絵を置きます。30秒間,主の力と愛だけに思いを集中するよう生徒を招きましょう。生徒たちに,次の質問の答えを学習帳に書いてもらいます。
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直面している問題よりも,イエス・キリストとその力に心を向けると,どのような違いに気づくでしょうか。
以下の質問を見せて,生徒を二人一組か少人数のグループに分けましょう。ホワイトボードに書かれた問題の中から二つか三つ選んでもらい,質問について話し合ってもらいます。
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イエス・キリストはどのような点で,あなたが選んだ問題,困難,試練の解決策となってくださるでしょうか。
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その特定の問題,困難,試練の最中で,人はどのようにイエス・キリストへの信仰をもって行動できるでしょうか。
希望する生徒に,学んだことや感じたことを発表してもらいましょう。
偉大なる主の力
以下の聖句を,個々に,または二人一組で読んでもらいましょう。生徒にはさらに,読んだ内容を絵にして学習帳に描いてもらってもよいでしょう。
生徒にとって有益であれば,19-22節を数人の生徒に端短く演してもらいましょう。例えば,動かしたり分離したりできる小さな障壁を作って,生徒がそこを通り抜けられるようにします。
または,アニメーションビデオ「すぎこし」のタイムコード1:28から2:32を見ることもできます。.ChurchofJesusChrist.orgこのビデオはにあります。
出エジプト14:15-31を読み,主がイスラエルの民のためにどのように戦い,彼らを救い出されたかを見つけましょう。
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この話のどのようなところに霊を鼓舞されますか。
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主を信頼したいと思わせるものを何か見つけましたか。
個人の強さと助け
次の質問は,生徒にとって最初は答えにくいものかもしれません。ほかの人の経験を聞くことによって,自分自身の経験についても考えようと思うようになります。あなたやあなたの知人の経験を分かち合うことで,この質問に答えやすくなるかもしれません。
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困難や試練の最中にイエス・キリストに心を向けることは,あなたやあなたの知人にとってどのような助けになりましたか。
時には,自分が期待した方法で問題から救い出されないこともあると,生徒が理解できるようにします。とはいえ,何に直面していようと,イエス・キリストに心を向けることは希望と強さを見いだす助けとなります。
最後に,イエス・キリストについてと,試練のさなかで主に心を向けることの大切さについて,その証を分かち合ってレッスンを終えましょう。あなたの証には以下の言葉を含めるとよいでしょう。
カマルゴ兄弟は,救い主がわたしたちを助けてくださることを証しました。
「主イエス・キリストは今日も生きておられます。主はわたしたちの生活の中で,積極的かつ日常的な存在となられます。主はわたしたちの問題の解決策であられますが,主を見るには視線を上げ,照準を合わせなければなりません。神は次のように言っておられます。『あらゆる思いの中でわたしを仰ぎ見なさい。疑ってはならない。恐れてはならない。』」(教義と聖約6:36)(「イエス・キリストに焦点を当てる」『リアホナ』2023年5月号,67)