リアホナ
福音は自由を得させる
『リアホナ』2026年1月号


福音は自由を得させる

わたしは聖書が大好きです。イエス様の行いについて学べるからです。サタンが束縛するのに対し、イエス様は人を自由にされているのに共感します。イエス様が与えてくださったのは、わたしたちが自由になるための戒めです。

経済的自由と霊的な自由

わたしは、2022年にビショップへ召されたとき、神様の愛されているワードの会員たちを幸せにしたいと思いました。当時はまだ、コロナ禍の最中でした。コロナ禍のように世の中が激変するとき、経済的な問題を抱える会員がとても多くなります。断食献金で助ける必要のある人もいます。末日には、霊的な強さと物質的な強さの両方が必要だと気づかされました。神様は、その両面でわたしたちに必ず恵みをくださいます。

そこで、「(シオンに)貧しい者はいなかった」を目指すことにしました。物質的・霊的に会員を豊かにし、束縛から解放して自由にするのです。ただし、お金持ちにするのが目的ではありません。信仰を培うのに十分な豊かさを人々が持てるようにするためです。

そのために、犬山ワードの活動として3つの指針を立てることにしました。

2022年:食糧貯蔵の研究と実践

食糧さえあれば、あらゆるところで生きていくことができます。そこで、食糧貯蔵の研究をワードを挙げて始めました。

新たに、災害対策スペシャリストという責任へ、食糧貯蔵が得意でいちばん詳しい遠藤えんどう芳子よしこ姉妹を召しました。

次にワードの会員のLINEグループで食糧貯蔵の研究会を立ち上げ、貯蔵についての知識を様々な会員から集めました。特にシニアの方々は非常によく知っておられ、教会の昔のテキストや農家のノウハウなどから教えてくれます。お米、小麦、野菜、麺類など、食品の賞味・消費期限を延ばす貯蔵方法が分かりました。普段から口にするそれらを少し余分に、安いときには多めに買っておいて、賞味期限を伸ばし、古いものから使っていきます。食糧を資産のように貯蔵できるのです。こうして生活コストが大きく下がり、会員には非常に喜ばれました。2022年当時に安くて貯蔵したお米やオリーブオイル、チョコレートは今や高騰し、円安インフレで食品全般の値段も上がっています。

2023年:ハーベスト計画

翌年は、遠藤姉妹が提供くださった100坪ほどの土地をワードの畑にして、できた作物を皆に持ち帰ってもらいました。その畑は何年か休眠状態で石が多く、一個一個取り除いて土づくりから始めないと畑になりません。試しに耕してみると、大変だけれど可能だと分かり、ハーベスト計画をワードで発表しました。

ワード全員ではないものの、できるだけ多くの皆さんと力を合わせて1週間に一回、大きな木の根っこを抜いたり、子どもたちも入って小石を除去したり、肥料をあげたり耕したりしました。お昼になったら皆でお弁当を食べ、非常に楽しい活動でした。わたしは農業について素人です。でも、ワードの会員で畑作りをされている方の知恵を結集したら、畑がみるみるうちに大きくなって、植え付けた収穫物も、もう豊作に次ぐ豊作でした。

タマネギが高騰してとても買えない時期がありました。一方、ワードの畑ではタマネギが豊作で、各家庭で分けても使いきれない量の収穫がありました。参加された方にはその恵みが分かりました。秋には皆で収穫祭をしました。ハーベスト計画は今もまだ続いています。

什分の一の力

ビショップに召される前、2018年のことです。わたしが働いている会社が大きな失敗をしました。製品のデータ偽装が発覚、全国的な大ニュースになり、それで会社は倒産寸前まで行ったのです。金融機関が協力してくれなかったら潰れていました。人員削減という痛みを伴う改革があり、従業員もたくさん辞めたり、解雇されたり、ほとんどの社員が給与を下げられたりしました。

そのときわたしはこう祈りました。「我が家の経済状況はこれから間違いなく悪くなりますが、わたしは主に従っていきます。」そして、いい機会だから神様に頼ろうと、一つの実験をしたのです。

それまでわたしは、給与の手取り額の什分の一を納めていました。でも、天引きされる税金と社会保険料、支給される交通費まで含めて、給与総額の什分の一を納めるようにしました。自分の意思で金額を増やしたのです。すると何が起こったでしょうか。

ほどなく、人員整理で人の足りなくなった現場へ行って働くよう指示されました。それまではデスクワークで、わたしの部署は全員、給料が下げられました。ところが現場に行ったことで、わたしの給料だけが以前よりも上がったのです。

神様はほんとうに祝福を下さることが分かりました。これまでは、什分の一を納めることで財産が減らないように神様は助けてくださいました。ところが、いちばん高い什分の一を納めるようになってからは、様々なチャレンジが実を結び、これまで経験したことがないくらいに物質的な祝福を授かるようになったのです。なぜそうなるのか全く分かりません。神様は、主の声に聞き従い、チャレンジする人間を助けてくださると強く感じます。

2024年:金融リテラシー教育

これからはどんな世の中になるか分からないし、恐らく金融の災難のようなものが将来、来るのではないかと感じました。そこで、ビショップ3年目に「金融リテラシー教育」を立ち上げました。ずっと方法を探していましたが、教会で自立支援のテキスト『個人の財政管理』を見たとき、これだと思いました。テキストは信仰に基づく資産管理の方法が扱われ、自分の能力に投資する、お金を投資するところまで書かれています。

このリソースクラスをワードで開催したら30人以上が参加しました。特に対面集会は勉強になりました。対面で集まると、適切な保険の選び方、家計簿の付け方など、それぞれに得意で詳しい方が必ずおられます。家計簿アプリのお勧めからインストールの仕方まで、分からない方の面倒を見てくれます。

20人ほどが修了証書を受けましたが、彼らのほとんどが「金銭的に生活が非常に楽になった」と言うのです。わたしも生活が物凄く改善し、物質的なお金の面の恵みとしてはこれが一番効きました。このテキストの教えを一生懸命に実践すると、お金の使い方も、仕事も、とてもうまくいくようになりました。これは財政管理のできない人が見るテキストではなく、什分の一を納めている人が、その祝福を最大限に受けるためのノウハウが詰まったテキストだと感じます。自分の経験を通して、これは本当に証できます。

突然の大事故

2024年の11月、冷たい雨の降る午後6時ごろ。すっかり日の暮れた家路をたどりながら、以前からずっと考えていたワードの会員のことを主に問いかけていました。「わたしは、神様が愛した人々を根こそぎ幸せにしたいと思っています。ですから、その力をください。」

信号が青になり横断歩道を渡りはじめました。そのとき、御霊を通して心に強く感じたのです。

「その力は与えられる」

驚きました。この問いに答えを感じたのは初めてです。同時に胸がすごく熱くなりました。今まで、「胸を内から燃や〔された〕」ときには、必ず大きな奇跡があって望みが実現してきたのです。わたしは反射的に尋ねます。「では、どうやってその力が得られるのですか?」

「それは今すぐ分かる」

そう心に感じた次の瞬間、わたしは車に跳ね飛ばされました。

……1、2分ほど意識を失っていたようです。ひどい頭痛と眩暈で目を覚まし、何回も嘔吐しました。救急車が来るまで30分ほど路上で雨に打たれていました。脇見運転の車が信号無視でノーブレーキ、80キロほどの速さでぶつかってきたと後で知りました。車は見えていましたが信号は赤だったし、ずっと遠くなので問題ないと思っていました。

股関節と左手を骨折、特に脳の障害がひどく、記憶領域がだめになりました。認知症に似た症状です。にもかかわらず御霊は、これが素晴らしい経験だと、答えが与えられたと、ずっとわたしを励ましているのです。病院ではすごく幸せで、事故に遭ったことをとても感謝していました。骨折は、医師が驚くほどの速さで回復し、1か月ほどで、車いすも使わず歩いて退院できました。

背景情報を駆使して

しかし、脳の記憶障害は深刻です。例えば、数字の2のカードを見て、次に3のカードを見る。そのとき、ついさっきの2が思い出せません。頭はできないと判断していて、思い出そうとしても思い出せないし、何千回も失敗します。にもかかわらずわたしの心は、主が命じられる全てのことができる、必ず方法が与えられると確信しているのです。だから、できないと思うのを意識的にやめ、何回失敗しようと諦めないで、方法をずっと探し続けました。方法を思いついたのは退院して何か月もたってからでした。

それは、忘れた内容を直接、思い出すのでなく、背景情報から思い出すやり方です。忘れた瞬間、忘れたことは分かります。そこで今、目の前で思い出せる部分から辿って、様々なヒント見つけ、ヒントの集合体を連想で繋げていって、忘れた記憶をあぶり出すのです。

信仰に集中し、その訓練をずっと繰り返すことで、御霊によって思い出すことができるようになって、不完全ながら日常生活には困らないくらいになりました。

仕事に復帰したときには全然、使い物にならないレベルでした。でも今は、事業戦略に関わる部署の中でもトップクラスの戦略を出せるようになりました。それは、様々な背景情報から物事を明らかにする能力を応用して、今まで机上の空論だった戦略を実現し、会社の利益へと結びつけるのに成功したからです。

人の全体を理解する

また、自分と正反対の意見であっても、その人の背景情報まで含めて見て、価値ある部分を無意識に探すようになりました。そこからわたしも学べますし、人をよく理解できるようになります。そうして、職場でも教会でも人間関係が大きく改善したのです。

事故の前のわたしは、そういうところが全然だめでした。人の価値観や背景を無視して、「こうしたらうまく行きますよ、それが難しいのは何故ですか、こうしたら改善できますよね、チャレンジしてみましょう」と問題解決に重きを置いていたのです。今のわたしは自然と、その人の中に価値あるものを見つけて「頑張りましたね」と労いねぎら、それを少しでも増幅させることを考え、話すようになりました。

イエス様をもっと近くに感じます。イエス様は、その人の全体を理解しておられて、表面的には罪を犯していたり苦難があったりしますけれど、その人が全体としてどういう人なのか、そして何を望んでいるのかをすごく大切にされます。

すべての導きに従うなら

重要な目標を達成するのに、主から色々と助言をいただきますが、多くの人が、自分が従えるものと従えないものをそこから無意識に判別しています。しかし、主によって目標を達成する人のほとんどは、この作業を「意識的に」しないようにしているのです。「主の全ての助言を受け入れます、そのためには、どんな犠牲も払います」という人は必ず目標を達成できます。主に認められる目標があるのなら、自分にはできないと「無意識に」思うのを「意識的に」やめることが大事です。そうして払う犠牲には大きな価値があります。ただ、事故に遭う前のわたしは、主の助言を何とか全て受け入れるように、会員たちへ結構強く言っていたところもありました。でも、それはご本人が決めないといけないことです。

2026年─次なる目標へ

3つの活動で、ワードの会員の経済状況は大きく改善しました。しかし課題もあります。活動への参加が困難であった方々に対して、十分な配慮がされていないということです。特に言語の壁がある方への配慮が足りていないことに気が付きました。犬山ワードでは70人弱が聖餐会に集っています。その3割から4割の会員が外国人です。ブラジル、ミャンマー、インド、フィリピンなど、いろいろな国の方が集っています。彼らとの間に日本語の壁があることで、十分なコミュニケーションを取りづらいのです。

2026年の目標は、日本語を母語としない方達を積極的に助けること、日本人と外国人たちが本当の友達になることです。

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わたしは創造的なことがとても好きです。また、会員の特技を見つけるのが得意です。「あなたがたは……わたしの宝となるであろう。全地はわたしの所有だからである。」犬山の地で、ここに特有の豊かさを得たい。土地の個性を生かし、そこに生きている人たちを活かしたい。犬山ワードをシオンにするにはどうすればよいか、2022年からずっと模索してきました。恐らく、今も主の答えを受けている最中で、答えを探さないといけません。ただ、事故に遭ってからは、それがより出来るようになったと感じています。

「人の価値が神の目に大いなるものであることを」証いたします。◆