使徒22-23,26-28章
主はパウロとともにおられる
パウロは鎖につながれ,自分を殺そうとしているユダヤ人に囲まれながら,エルサレムのアントニヤの塔の階段に立って,自分がイエス・キリストに改宗したことについて大胆に証しました。パウロが投獄された後,救い主はパウロを訪れ,パウロはローマで主について証することになると約束されました。パウロはその後,この約束が果たされる見込みがなくなるようなたくさんの試練に遭いました。この課は,使徒22-23,26-28章の概要をつかんでもらい,天の御父とイエス・キリストに仕えようと努力するときに御二方が約束を果たしてくださることを,さらに深く信じられるようになってもらうことを目的としています。
経験を分かち合う。教えられている真理に関連する霊的な経験について,生徒に深く考えさせるような質問をします。生徒は,自分の経験したことを分かち合うと,その真理の大切さを感じ,さらに忠実にそれに従って生活したいと強く思うようになります。
生徒の準備:主が自分にしてくださっている約束について,生徒に深く考えてもらいます。例えば,聖餐の祈りの中にある約束や( モロナイ4:3 ; 5:2参照) ,そのほかの聖文にある約束について考えるとよいでしょう。祝福師の祝福を受けている生徒には,その祝福文を読んで主から約束されていることを探してもらうといいかもしれません。祝福師の祝福は個人的で神聖なものなので,クラスの参加者に明かすべきではないことを生徒に指摘します。
学習活動案
あなたは,どのように人を信頼しますか。
次の質問を見せ,生徒には,答えを発表する前に学習帳に答えを書いてもらいます:
以下の状況のときに,あなたはだれを信頼しますか。それはなぜですか。
-
自分の着るものを選ぶ
-
居住地を選ぶ
-
常に約束を守る
-
つらいときに自分のそばにいてくれる
次の質問に答えてください:
-
どれがあなたにとって最も大切ですか。それはなぜでしょうか。
-
人生で頼ることのできる人がいることは,どのような助けになるでしょうか。
少し時間を取って,天の御父とイエス・キリストを自分がどれほど信頼しているか,深く考えてください。御二方は約束を守ってくださると,あなたは信じていますか。困難なときに御二方が自分とともにいてくださることを,あなたは信じていますか。毎日御二方に導いていただきたいと思うほど,あなたは御二方を信頼していますか。それはなぜですか。この課を学習しながら,天の御父とイエス・キリストに仕えようと努力するときに,この御二方は約束を果たしてくださるということを改めて確信させてくれるような話を見つけてください。
エルサレムに戻るパウロ
3回目の伝道の旅の後,パウロはキリストについて証するためにエルサレムに戻りました。ユダヤ人の一団によってパウロは神殿から引きずり出され,殺されそうになりましたが,ローマの兵士たちに救い出されました。彼はアントニヤの塔の階段に連れて行かれ,話すことを許されました( 使徒21 章参照)。パウロは,イエス・キリストへ改心した経緯と,異邦人に教えを説くよう救い主から命じられたことを証しました。ユダヤ人はまたもや激怒し,パウロは身の安全のためにアントニヤの塔に送り返されました( 使徒22章 ; 23:1-10 参照)。
使徒23:11 を読み,救い主がパウロのために何を言い,何をなさったかを確認してください。これに加えて,ChurchofJesusChrist.org にあるビデオ「元気を出しなさい」(1:32)を見るとよいでしょう。
-
この節で救い主が言われたことと行われたことから,救い主についてどのようなことが分かりますか。
生徒は次のような真理を見つけるでしょう:主はわたしたちを名前で御存じである。主はわたしたちを慰め,励ましてくださる。試練のとき,主はわたしたちとともにいてくださる。
次の質問をして,自分の経験について生徒に考えてもらうとよいでしょう:
-
救い主があなたや知っている人の人生で上記の真理のいずれかを示してくださったのは,どのようなときでしたか。
そのような経験について生徒がなかなか思いつかないようであれば,ジョセフ・スミスの最初の示現など,これらの真理を示す個人的な経験や聖文の例を分かち合ってもよいでしょう (ジョセフ・スミス—歴史1:14-20 参照)。
救い主の約束
パウロの経験は,使徒たちが福音を宣べ伝える際にはともにいるという救い主の約束が成就した例の一つです( マタイ28:19-20 参照)。
学習帳に,以下のような表を書いてください。このレッスンの間常に,表の左側に主の約束を書き,右側にその約束の成就を書きます。
次の表をホワイトボードに書き,クラスの皆で書き込んでください:生徒には,自分の学習帳にもこの表を書いてもらいます:
|
約束 |
預言の成就 |
|
使徒たちが福音を宣べ伝えるとき,イエスは常に使徒たちとともにおられる( マタイ28:19-20 参照)。 パウロはローマで証する( 使徒23:11 参照)。 |
パウロが教えを説いた後,イエスはアントニヤの塔にいるパウロのもとに来られた( 使徒23:11 参照)。 |
救い主は使徒たちに,ほかにも約束を与えておられます。
マタイ10:18-20 と マルコ16:17-18 を読んでください。救い主の約束を見つけ,それを表の左側に書きます。
-
この約束は,イエス・キリストについてどのようなことを教えていますか。
パウロ,キリストについて引き続き証する
次の箇条書きの説明を読み,自分がパウロの立場だったらどう感じるか,深く考えてください。それを考えたら,それぞれの状況の説明の後にある節を読み,パウロがどのように行動し,主の約束がどのように成就したかを調べてください。成就された約束を見つけたら,それを学習帳の表の右側に書き加えます:
-
パウロ,ローマの総督や王たちの前で裁判にかけられる。 使徒26:1-2,22-23 。
-
パウロは船でローマに送られたが,激しい嵐に遭って船が沈みそうになる。 使徒27:22,25,41,44 。
-
島で足止めをされる。パウロはこの島で蛇にかまれた。 使徒28:4-6 。
-
パウロ,ついにローマに到着する。 使徒28:16,30-31 。
これらの話については,今後のレッスンでさらに深く学びます。
-
どのような約束が成就したことを確認できましたか。
-
イエス・キリストが約束を成就してくださることは,あなたにとってなぜ大切なのでしょうか。
-
救い主が約束を守ってくださることが分かっていると,主に対する気持ちや,主の言葉に聞き従いたいという望みはどう変わってくるでしょうか。
神は御自分に仕えるようわたしたちに勧めておられますが,わたしたちが完全な者にならないかぎり約束を成就しないとは言っておられません。パウロは多くの困難を経験し (2コリント11:23-27 参照),完全な者ではありませんでしたが (1テモテ1:15 参照),それでも神は,パウロに約束したことを果たされました。
あなたの生活の中で果たされる約束
天の御父とイエス・キリストが自分にしてくださった約束について,考えてください。
十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,次のように教えています:
「当然ながら,天の御父がその子供たちに差し出しておられる尊く,大いなる約束の数を数えたり,一言で言い表したりすることは不可能です。しかし,今述べたような約束された祝福のごく一部であっても,わたしたちが『ただ驚』き,『伏して,〔イエス・キリスト〕の名によって父を礼拝』するほど大いなるものなのです。」
(デビッド・A・ベドナー「尊く,大いなる約束」『リアホナ』2017年11月号,91)
以下のリソースには,天の御父とイエス・キリストがわたしたちに与えてくださった約束が書かれています:
-
『若人の強さのために』(小冊子)
-
祝福師の祝福文(受けている場合)
研究するリソースを幾つか選んでください。約束が見つかったら,それを学習帳の表の左側に書き加えます。
-
これらの聖句から,自分に対する救い主の愛についてどのようなことが分かるでしょうか。
見つけた約束のリストを見てください。天の御父とイエス・キリストがあなたの生活の中でこれらの約束をどのような形で成就されてきたか,聖霊の助けを求めながら深く考えてください。学習帳の表の右側に,御二方が約束の一つまたは幾つかを成就してくださったときのことを短く書いてください。または,そのほかの約束を考えついた場合には,それについての説明も短く書きます。例えば,聖霊の影響を感じることは,聖餐の祈りの中で交わす約束の成就となります( モロナイ4:3 ; 5:2 参照)。天の御父とイエス・キリストがあなたの知っている人に約束したことを成就されたときのことを書いてもよいでしょう。
これらの例のどのように点に感銘を受けて,天の御父とイエス・キリストが約束を将来果たしてくださることを信じる気持ちが強くなるか,深く考えてください。
十分な時間を取って,生徒にこの表に書き込んでもらいます。天の御父とイエス・キリストが約束を果たしてくださると信じる気持ちが強くなった個人的な経験や証を,生徒に分かち合ってもらいます。
注釈と背景情報
なぜ主を信頼するべきなのか
七十人のスタンレー・G・エリス長老は,次のように説明しています:
「兄弟姉妹,わたしたちは主を信頼する信仰を持つことができます!主はわたしたちに最も良いものを与えたいと望んでおられます( モーセ1:39 参照)。わたしたちの祈りにこたえてくださいます( 教義と聖約112:10 参照)。約束を守ってくださいます( 教義と聖約1:38 参照)。それらの約束を果たす力をお持ちです( アルマ37:16 参照)。すべてのことを御存じです。そして何より大切なこととして,主は何が最も良いかを御存じです( イザヤ55:8-9 参照)。」
(スタンレー・G・エリス「主を信頼しているでしょうか?困難は益となります」『リアホナ』2017年11月号,114)
わたしはなぜ神に仕えるよう努めたいと思うのか
元中央扶助協会会長のイレイン ・L・ジャック姉妹は,次のように教えています:
「わたしがまだ若い母親だったころのことです。いちばん下の息子のゴードンが自転車から落ちてひざをすりむいただけでなく,自信を失ったとき,わたしは『ママはここよ』と言ったのを思い出します。息子を抱きかかえ,『ママはここにいるわよ』と言いながら,息子を慰めたものです。このような経験からわたしたちは,いつでもわたしたちのそばにいてくださる主のことを思い出します( マタイ28:20 参照)。教会や神殿に行ったり,ベッドにひざまずいて祈るときだけ,主がともにいてくださるというわけではありません。わたしたちが主の教えに従って生活するならば,主はいつでもすぐそばにいてくださるのです。」
(イレイン ・L・ジャック「あなたの足の道に気をつけなさい」『聖徒の道』1994年1月号,113)
使徒23:11 。主はパウロの犠牲と試練を御存じでともにおられたが,わたしにも同じことをしてくださるだろうか
中央扶助協会会長会第一顧問のシャロン・ユーバンク姉妹は,次のように教えています:
「皆さんが愛されていることを証します。主は,皆さんがどれほど一生懸命に努力しているかを御存じです。皆さんは進歩しています。前進し続けてください。主は皆さんの隠れた犠牲のすべてを御覧になり,あなたとあなたが愛する人に報いてくださいます。あなたの働きが無駄になることはありません。あなたは独りではありません。主の名前であるインマヌエルは,まさに『神われらと共にいます』という意味です。主は確かに皆さんとともにおられます。」
(シャロン・ユーバンク「キリスト-闇の中に輝く光」『リアホナ』2019年5月号,75)
使徒22-23,26-28章の出来事をよく理解するにはどうすればよいか
ビデオ「だい63しょう パウロ,でんどうをおえる」(2:32)を見てください。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。
//media.ldscdn.org/webvtt/scripture-and-lesson-support/new-testament-stories/2010-11-67-chapter-63-paul-finishes-his-mission-eng.vtt
補足学習活動
キリストの予型としてのパウロ
生徒に,使徒22-23,26-28章の話の筋をつかみながら,パウロとキリストの共通点を見つけてもらいます。パウロとイエス・キリストが,ともにどのような罪で不当に訴えられ,どのような奇跡を行われたかを生徒に理解してもらう方法を考えてください。その後,パウロの経験したことが,救い主のような者になるうえでどのように役立ったか,話し合うとよいでしょう。
アンモンとモーサヤの息子たち
モーサヤの息子たちの経験と,パウロの経験と,主が果たされた約束を比較するといいかもしれません。生徒に, モーサヤ28:6-8 を読んで主の約束を見つけてもらいます。生徒に,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「アンモンはラモーナイ王に仕え,教える:アルマ17-19」(23:04)を見ながら,主がどのような形で約束を果たされたか考えてもらいます。