セミナリー・インスティテュート
第5課:モルモン書の役割は何か


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モルモン書の役割は何か

はじめに

モルモン書はイエス・キリストの神性に対する力強い証拠であり,預言者ジョセフ・スミスを通して回復が行われたことを証するものです。モルモン書は,天父の子供の多くが彼らの人生について抱える「人生の問題」に答えてくれます(『わたしの福音を宣べ伝えなさい』107参照)。聖霊を通してモルモン書が真実であるという証を得ることは,改心の大切な要素となります。宣教師候補者は,毎日モルモン書を研究し,モルモン書についての個人の証を得て,その証を人に分かち合う経験を積む必要があります。

事前準備

教えるための提案

モルモン書はイエス・キリストの神性に対する力強い証拠である

生徒に自分のモルモン書を見てもらうか,教師がモルモン書を掲げて,クラスの生徒に目を向けてもらいます。その後,次の質問をします。

  • モルモン書について何も知らなかったとしたら,(イエス・キリストについてのもう一つの証)という副題を見て,何が分かるでしょうか。

  • その本から何を見つけることができると期待するでしょうか。

生徒たちに,モルモン書のタイトルページを開いてもらい,2番目の段落を読んで,モルモン書の記録者たちが世の人々に確信させたかった事柄に注目してもらいます。その後,次の質問をします。

  • モルモン書の記録者たちは世の人々に何を確信させたかったのでしょうか。

ホワイトボードに次のように書きます。モルモン書の第一の目的は,イエスがキリストであることをあらゆる人に確信させることです。

一人の生徒に『わたしの福音を宣べ伝えなさい』105ページの「モルモン書はキリストを証する」の項を声に出して読んでもらい,他の生徒には一緒に黙読して,どのようにモルモン書がイエス・キリストのもう一つの証としての役割を果たしているのかを見つけてもらいます。

その後,生徒に質問します。

  • どのようにモルモン書はイエス・キリストのもう一つの証としての役割を果たしていますか。

  • イエス・キリストについてのあなたの証はモルモン書を通してどのように強められてきましたか。

生徒に,モルモン書の個人の証と,モルモン書を読みそれについて祈った経験,または救い主とその使命についての好きな聖句をもう一人の生徒に分かち合ってもらいます。宣教師訓練センターに入る前に生徒ができる最も大切なことの一つは,モルモン書を全部読み,その真実性について祈ることであると生徒に伝えます。教会員は毎日モルモン書を30分読むようにというエズラ・タフト・ベンソン大管長の勧告に従うよう生徒に勧めます。

モルモン書と聖書は互いに支え合う

生徒に『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の106ページを開いてもらいます。何人かの生徒に「モルモン書と聖書は互いに支え合う」の項を声に出して順番に読んでもらいます。

その後,次の質問をします。

  • どのような点でモルモン書と聖書は互いを支え合っていますか。

  • 人がイエス・キリストの福音を学ぶのを助けるために,宣教師はなぜモルモン書と聖書の両方を使うべきなのでしょうか。(生徒は次のような真理を述べるとよいでしょう。モルモン書と聖書は,イエス・キリストとその教えの証として,ともにその役割を果たしている。

生徒がこの概念を理解できるように,一人の生徒に2ニーファイ3:12を声に出して読んでもらいます。もう一人の生徒にエゼキエル37:15-17を声に出して読んでもらいます。どの言葉が聖書を表し,どの語句がモルモン書を表しているかを見つけてもらいます。これらの聖句を読んでから,次の質問をします。

  • これらの聖句は二つの証という概念をどのように支えていますか。

  • モルモン書と聖書が互いに合わさることでどのような祝福が約束されていますか。

〔ビデオアイコンの画像〕どのようにモルモン書と聖書がイエス・キリストの証として機能するのかをさらに説明するために,七十人のタッド・R・カリスター長老の次の言葉を生徒に読んでもらうか,その言葉があるビデオを見せます。

〔タッド・R・カリスター長老の画像〕

「イエス・キリストについて教える聖書が既にあるのに,なぜモルモン書がそれほど重要なのでしょうか。キリスト教の教会が基本的に同じ聖書から教義を得ている今日,なぜ世の中にこれほど多くの教会があるのかと,不思議に思ったことはありませんか。それは聖書を異なって解釈しているためです。解釈が同じであれば,同じ教会になったことでしょう。これは主が望んでおられる状態ではありません。使徒パウロは,『主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つ』と述べているからです(エペソ4:5)。この一つの状態になる助けとして,主は神聖な証人の律法を定められました。パウロはこう教えています。『すべての事がらは,ふたりか三人の証人の証言によって確定する。』(2コリント13:1)

聖書はイエス・キリストについての一つの証であり,モルモン書はもう一つの証です。この第2の証がなぜそれほど重要なのでしょうか。次の図が役立つかもしれません。紙の上の一つの点を通る直線は何本引くことができますか。その答えは無限です。少しの間,一つの点が聖書を表し,その点を通るように引いた数百の直線が聖書の異なる解釈を表し,またその解釈のそれぞれが異なる教会を表すと仮定してみましょう。

しかし,紙の上にモルモン書を表す第2の点があれば,どうなるでしょうか。これらの二つの基準点,すなわち聖書とモルモン書の間に引くことができる直線は何本でしょうか。1本だけです。これらの二つの証により,キリストの教義の解釈はただ一つとなります。

さらにまた,モルモン書は,『主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つ』だけであるように,聖書の中で教えられている教義を確認し,明確にし,統一する証の役割を果たしています。」(「モルモン書─神からの書物」『リアホナ』2011年11月号,75)

カリスター長老の言葉を読んだ(またはビデオを見た)後,次の質問をします。

  • イエス・キリストについて二つの聖典による証があることにはどんな意義がありますか。

  • モルモン書と聖書がいかにお互いを支え合っているかを人に教えるのに,カリスター長老の説教から何を学びましたか。

イスラエルの集合におけるモルモン書の役割

次の原則を教えるための背景を与えるために,生徒にモルモン書タイトルページの2番目の段落を再度読んでもらい,モルモン書の読者が「とこしえに捨てられないという主の聖約を……分かるように」なるという約束に印をつけてもらうとよいでしょう。この段落は散らされたイスラエルの家の神の子らが集められなければならないことを示唆していると説明します。神がかつて御自分の子らと聖約を交わされたことを生徒たちに思い出してもらいます。しかし,主は彼らの不義と反乱のためにイスラエルの家の者たちを地の四方に散らしたのです。

生徒たちに次の聖句のいずれかを割り当てて,神の子供たちがどのように集められるかを見つけてもらいます。1ニーファイ10:143ニーファイ16:4-5;または3ニーファイ20:13その後次のような質問をして,これらの聖句の中で教えられている教義を生徒が明確にできるように助けます。

  • これらの聖句によると,イスラエルの家の一部として集められるためには,人は何をしなければなりませんか。(イエス・キリストを知るようにならなければならない。)

  • この過程でのモルモン書の役割は何でしょうか。(生徒はさまざまな答えを挙げると思われますが,次の真理を認識できるとよいでしょう。モルモン書は人がイエス・キリストを知るようになるのを助けることで,神の子を集めるための道具としての役割を果たす。

イスラエルの集合におけるモルモン書に役割について教えた十二使徒定員会のブルース・R・マッコンキー長老(1915-1985年)の次の言葉を読みます。

〔ブルース・R・マッコンキー長老の画像〕

「モルモン書はイスラエルの集合に関して,これまでに執筆された,また今後執筆されるであろう書物の中で最も大切な書物です。モルモン書はイスラエルを集める書物であり,選ばれた血統に関する教義を分かりやすく,また完全に明らかにする書物です。……人々が福音を信じ,教会に加わるよう促すのはモルモン書です。また,これまでに見てきたように,モルモン書はイスラエルの集合を実現させる力です。」(A New Witness for the Articles of Faith〔1985年〕,554)

次に,以下のような質問をします。

  • 宣教師はイスラエルの家の集合にどのように携わりますか。(人が信仰,悔い改め,バプテスマ,確認,最後まで堪え忍ぶことによってキリストのもとに来ることができるように,彼らがモルモン書を研究し理解できるよう宣教師は助ける。)

  • 人がキリストのもとに来るのを助けるのに宣教師がモルモン書を使うことがなぜ大切なのでしょうか。

モルモン書の証を得ることは,改心の大切な要素である

十二使徒であったパーリー・P・プラット(1807-1857年)の自伝から次の記録を一人の生徒に読んでもらいます。この記録の中でプラット長老はモルモン書を初めて読んだときの経験を語っています。

〔パーリー・P・プラット長老の画像〕

「わたしは大いに期待しながらその書物を開き,タイトルページに目を通した。続いて,それがどのように発見され,どのように翻訳されたかを語る数人の証人たちの証を読んだ。それから,書かれている順に本文を読み始めた。終日読み続けた。食事をする間も惜しく,食欲がなかった。夜が来ても,寝る時間も惜しかった。眠るよりも読んでいたかったからである。

そのようにして読んでいると,主の御霊が降り,その書物が真実であることを悟った。人が自分の存在を認識するように,はっきりと,一点の疑いもなく,その書物が真実であることを理解したのである。」(Autobiography of Parley P. Pratt, パーリー・P・プラット・ジュニア編〔1874年〕,38)

  • モルモン書を読むパーリー・P・プラットに主の御霊はどのように影響を与えたでしょうか。

  • モルモン書のある聖句を読んだときに,御霊があなたの心に触れたときのことを分かち合ってくれますか。

生徒たちに『わたしの福音を宣べ伝えなさい』104ページの次の文章に印をつけてもらいます。「モルモン書は,御霊を通して用いるときに,改宗をもたらす最も強力な手段となります。」生徒たちがこの真理を理解できるように,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』108ページの「モルモン書は人を神に近づける」の項を読んでもらいます。その後,次の質問をします。

  • 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』のこの項によると,人がモルモン書を研究するようになると,具体的にどのようなことが起こりますか。

  • 求道者がモルモン書を研究し,その証を得るのを助けることが,なぜ宣教師の最も大切な目的の一つなのでしょうか。

求道者がモルモン書から人生の最も重要な質問の答えを見つけるのを助けることで,生徒たちは求道者が改心を促すモルモン書の力を感じるのを助けることができると説明します。何人かの生徒に『わたしの福音を宣べ伝えなさい』107ページの段落と質問を順番に読んでもらいます。その他の生徒たちには「人生の問題」という言葉の意味を見つけてもらいます。その後,次の質問について話し合います。

  • あなたにとって,「人生の問題」とはどういう意味ですか。

ホワイトボードに次の真理を書きます。

モルモン書の教えは,人生の問題に答えてくれる。

生徒たちと次のことを話し合います。

  • 人生の問題の答えを見つけるためにあなたはモルモン書をどのように使いますか。

  • あなたのどのような人生の問題への答えをモルモン書で見つけたことがありますか。

人生の問題の答えを見つけるためのモルモン書の使い方を生徒たちに手短に実演するとよいでしょう。『わたしの福音を宣べ伝えなさい』107ページのリストから質問を一つ選びます。質問の横に書いているモルモン書の聖句を使って,選んだ質問に対してモルモン書がどのように答えてくれるかを実演します。質問の答えを見つけるためにTopical GuideBible Dictionary,または『聖句ガイド』の使い方も実演するとよいでしょう。モルモン書がいかに生徒たちや求道者たちの質問に対する答えを見つける助けとなるかについて,教師は気持ちを分かち合います。

生徒たちに模範を示した後,同じ方法に従うように勧めます。生徒たちにリストから質問を選んでもらい,その横にあるモルモン書の聖句を調べて,質問の答えとなる教義または原則を見つけてもらいます。生徒たちに準備する時間を十分に与えてから,クラスの別の生徒に見つけた事柄を簡単に分かち合うよう伝えます。それが終わったら,次の質問について話し合います。

  • 求道者が人生の問題への答えを見つけるのを助けるために,宣教師はどのようにモルモン書を活用することができますか。

〔ビデオアイコンの画像〕人生の問題に対してモルモン書がどのように答えとなるかをさらに説明するために,ビデオ「モルモン書の物語」を見せます。クック兄弟が教会に入る前に,兄弟の幾つかの質問に対してモルモン書がどのように答えとなったかを生徒たちに見てもらいます。

ビデオを見た後,次の質問をしてもよいでしょう。

  • クック兄弟がモルモン書を読んだときに答えを見つけることができたのはどのような重要な質問に対してでしたか。

  • これらの答えを見つけられたことは,クック兄弟にどのような影響を与えましたか。

生徒たち自身や彼らの友人が答えを求めている福音に関した重要な質問について考えてもらいます。彼らがモルモン書を研究することによって,主が質問に答えてくださることを証します。

モルモン書は回復の真理を確認する

『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の103ページから始まり104ページの表まで続く「モルモン書はわたしたちの宗教のかなめ石である」の項を数人の生徒に順番に声に出して読んでもらいます。生徒たちが読むときに,モルモン書の重要性についてのジョセフ・スミスの言葉を深く考えてもらいます。その後,次の質問をします。

  • どのような点でモルモン書は「証の基」なのでしょうか。

  • なぜサタンはモルモン書に敵対し,人がモルモン書を読むのを妨げようとするのですか。(モルモン書はわたしたちの宗教のかなめ石だから。)

世界にはジョセフ・スミスの話とモルモン書の起源について信じがたいと感じている人々が多くいることを説明します。求道者がモルモン書の神聖な起源について疑うときに対処できるよう,宣教師は備えておく必要があります。

クラス全体で一緒に『わたしの福音を宣べ伝えなさい』108-109ページの「反対意見に答えるためにモルモン書を活用する」の項を読みます。懸念や疑いを持つ求道者の信仰を強める助けとなる勧告を見つけてもらいます。次のような質問をして,生徒が読んだ箇所から原則を見いだすことができるように助けます。

  • ベンソン大管長によると,なぜわたしちの信条について懸念のある人が,モルモン書が真実であるかどうかを知ることが大切なのですか。

  • モルモン書は,どのように人が霊的な事柄についての懸念や疑いを解決する助けとなりますか。

生徒が見つけた原則をまとめるために,次の原則をホワイトボードに書くとよいでしょう。モルモン書が真実であるという証を得ることは,求道者が霊的な事柄についての懸念や疑いを克服する助けとなる。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)の次の言葉を見せ,数人の生徒に幾つかの段落ずつ声に出して読んでもらいます。

〔ゴードン・B・ヒンクレー大管長の画像〕

「わたしたちはモルモン書を読むように人々に勧めますが,それは彼らを愛しているからです。もし祈りと,真理を知りたいという心からの望みをもって読むなら,人々はモルモン書が真実の書物であることを,聖霊の力によって知ることができるのです。

またそれを知ることにより,他の多くの事柄の真実性についても確信が得られるようになります。モルモン書が真実であるならば,神は確かに実在します。……

モルモン書が真実なら,イエスは確かにわたしたちの贖い主であり,世の救い主です。モルモン書が人々の目から隠され,後に世に出されたのには偉大な御心がありました。それは『ユダヤ人と異邦人に,イエスがキリストであり,永遠の神であり,すべての国民に御自身を現されることを確信させるもの』なのです(モルモン書のタイトルページ)。

モルモン書が真実なら,ジョセフ・スミスは神の預言者です。なぜなら,ジョセフ・スミスは,主を証するこの書物を世に出すために,神の御手の中でその器として働いた人だからです。……

モルモン書が真実なら,この教会も真実です。この教会には,モルモン書を世に出したと同じ権能が存在するからです。この教会は,救い主がパレスチナで,またアメリカ大陸で組織されたのと同じ教会が回復されたものです。古代アメリカにおける教会の組織については,モルモン書そのものの中に記録されています。」(「モルモン経」『聖徒の道』1988年10月号,6-7)

以下の質問をするのもよいでしょう。

  • 求道者,宣教師,教会員がモルモン書の証を得ることがなぜそれほど大切なのでしょうか。

  • どのようにしてモルモン書が真実であることが,ジョセフ・スミスが神の預言者であったことを確認するのでしょうか。(マタイ7:13-15参照)

  • どのようにしてモルモン書の証が,回復の永遠の重要性をあなたの心で確認する助けとなりましたか。

モルモン書は回復が真実であることの証拠であるという証を教師が述べてもよいでしょう。数人の生徒に,モルモン書の証と,なぜ他の人がモルモン書を読み,それについて祈るのを助けることを心待ちにしているかを述べてもらい,レッスンを終わります。

行動するように勧める

宣教師候補者に,伝道に出るための最善の準備は今すぐ伝道活動を始めることであるということを思い出してもらいます。生徒たちに次の事柄を実行するための個人の目標を立てるよう勧めます。

  • モルモン書を全部読み,既に過去に祈ったことがあったとしても,それが真実であるかどうかを知るために祈ります。

  • モルモン書を毎日読む習慣を身につけます。

  • 今週誰かにモルモン書を紹介し(対面でもソーシャルメディアを通じてでもよい),読んで,祈るよう勧めます。