「神殿儀式の調整」教会歴史のテーマ
「神殿儀式の調整」教会歴史のテーマ
神殿儀式の調整
神殿の儀式の知識は,「教えに教え,訓戒に訓戒を加えて」ジョセフ・スミスに啓示されました。ジョセフは神の指示の下に行動し,死者のためのバプテスマ,イニシャトリー,エンダウメント,神殿の結び固めの儀式という,今日神殿で行われているすべての儀式を導入しました。さらに啓示を受け,経験を重ねてゆくにつれ,ジョセフはこれらの儀式の執行方法に変更を加えていきました。それは聖徒たちにもっとよく学んでもらえるようにするためでした。
ジョセフの後を継いだ預言者たちも,神殿の儀式の執行の仕方や聖約の交わし方に変更を加えていきました。それらの変更は啓示を受けて行われ,教会員の必要の変化や具体的な問題に対応していました。長い年月の間に多くの変更がありましたが,核となる教義と,神殿の儀式の中心となる聖約は変わっていません。1959年に,十二使徒定員会のハロルド・B・リー長老は,この原則について,ソルトレーク神殿で儀式執行者たちに,次のように教えました:「これからわたしたちは新しい方法で執行するようになります。しかし,提示の仕方が変わっても,真理は変わりません。今後また,新しい変更があるかもしれません。しかし,基本的な事柄は変わらないのです。」
死者のためのバプテスマや神殿の結び固めの歴史的な変遷についてや,ジョセフ・スミスの存命中にエンダウメントが導入され,霊感を受けて発展していった経緯については,「教会歴史のテーマ」のほかの項目で述べられています。ジョセフは亡くなる前に,エンダウメントを「整理して体系化」し,神殿で執行できるようにするようにと,ブリガム・ヤングに指示しました。その指示に従って,ブリガム・ヤングは1845年の後半に変更を取り入れ,「改良した順序でのエンダウメントの執行」を初めて神殿で行ったのです。
初期の神殿では,エンダウメントが何時間にもわたることがあり,教えを受ける時間が長いことが特徴となっていました。長い年月をかけて,教会の指導者たちは神の導きを求めながら,会員たちが死者のためのエンダウメントをもっとたくさん執行できるようにしていきました。その結果,儀式の言葉を調整し,儀式の間に与えられる教えも減らして,標準化しました。19世紀の後半から20世紀初頭にかけては,神殿のエンダウメントは基本的にワード,ステーク,または定員会毎に集団で来た人たちに施していました。1920年代には,教会は神殿でそれまで行われていた癒しの儀式を行うのをやめました。これは,自分の先祖の儀式をするために神殿に来る末日聖徒の数が増加しつつあり,その聖徒たちへの対応に注力するためでした。教会の指導者たちは神殿の座席を増やし,一日に行われるエンダウメントのセッションの数を増やし,管理者を召して神殿の儀式執行者を組織し,監督してもらうようにしました。また,定例のエンダウメントのセッションを設け,集団で神殿に来る人たちだけでなく個人で来る末日聖徒も儀式が受けられるようにしました。
また,20世紀に入ると,最初の10年間にヨーロッパやアメリカ合衆国では服装に変化がありました。長袖にロングスカートというファッションが,女性たちの間で主流ではなくなっていったのです。この服装の変化はファッションの変化というだけではなく,自由な生き方ができるようになり,生活様式が健全なものに変化してきたことの表れと見られていました。大管長会と十二使徒定員会は,ヒーバー・J・グラント大管長の指導の下で,この変化を十分に考慮したうえで,神殿で交わした聖約を尊ぶことができるよう教会員を助けたいと思いました。そこで,1923年に新しい規範を作りました。つまり,神殿のガーメントを短くしてひざ丈およびひじ丈にし,伝統的に付けられていた襟を外し,ひも結びをやめてボタン掛けにしたのです。
1950年代初めに大管長会は,参入者が幾つかの部屋に移動することなくエンダウメントを一つの部屋で行うことのできる,新しい設計の神殿を承認しました。この変更により,神殿の儀式執行者をあまりたくさん必要としない小さな神殿を建設することができるようになりました。このような小規模の神殿でエンダウメントを容易に執行できるようにするために,デビッド・O・マッケイ大管長は,エンダウメントを一部映像で見せたらどうかというゴードン・B・ヒンクレーの提言を受け入れたのです。この映像の撮影は,ソルトレーク神殿の5階で行われました。そして,フィルムの完成は,1955年9月のスイスの神殿の奉献に間に合ったのです。
神殿での手順や衣装の変更はその後も時々あり,ここ数十年の間にも幾つかありました。例えば,1979年には,上下に分かれたガーメントが導入され,それまでの上下一体となったワンピース型以外の選択肢ができました。2019年には,もう一つの重大な変更がありました。神殿でのバプテスマと結び固めの儀式の証人を女性が務めることを,大管長会が許可したのです。
ウィルフォード・ウッドラフ大管長は,ジョセフ・スミスもブリガム・ヤングも「神殿の業にかかわる啓示をすべてを受けたわけではない」と教えています。「テーラー大管長も,わたしウィルフォード・ウッドラフも同じです。完全なものとなるまで,この業に終わりはありません。」変更する場合には,必ず教会の大管長の承認を受けてきました。大管長は,神権の儀式に必要なすべての鍵を持っているからです。2021年に,ラッセル・M・ネルソン大管長はこう教えています:「現在行われている神殿の手順の調整や今後の調整は,主が御自身の教会を積極的に導いておられることの連綿と続く証拠です。」
関連テーマ:「死者のためのバプテスマ」,「油注がれた定員会(「聖なる位」)」,「エンダウメントハウス」,「ノーブー神殿」,「Salt Lake Temple(ソルトレーク神殿)」,「結び固め」,「神殿のエンダウメント」,「神殿の建設」,「癒し」,「家族歴史活動と系図」