キリスト教会の組織

「記されているものに頼〔る〕」(教義と聖約18:3)
Scene 202, Actors, portraying Joseph Smith, Oliver Cowdery, and others gather in the Whitmer home for the organization of the Church of Jesus Christ of Latter-day Saints, April 6, 1830.
モルモン書がグランディン印刷所で初めて売りに出されてからわずか10日後の1830年4月6日,ニューヨーク州フェイエットにあるピーター・ホイットマーとメアリー・ホイットマーの家に,ジョセフ・スミス,オリバー・カウドリを始めとする人たちが集まり,キリスト教会を組織しました。

ジョセフ・スミスと彼に従う者たちが何か月間も待ち望んでいたその日が,ついに来たのです。
D. Brent Walton, brent@dbwalton.com, LDSID: 3448042437151497
再建されたピーター・ホイットマーとメアリー・ホイットマーの家
1年以上前から,ジョセフ・スミスの啓示と説教によって,ジョセフと彼に従う者たちは,イエス・キリスト教会の設立に備えなければならないことを理解するようになりました。11829年3月,主はマーティン・ハリスに与えられた啓示の中で,モルモン書に「三人の証人の証」を加えるべきであり,この書物の出版は「わたしの教会が荒れ野から立ち上がって出て来る始まり」(教義と聖約5:14)を知らせるしるしとなると宣言されました。

翻訳の完成が間近に迫った6月,ジョセフはオリバー・カウドリとデビッド・ホイットマー,マーティン・ハリスを,ホイットマー家の農場にある森の中の人目につかない場所に案内しました。祈りの後,現在「三人の証人」として知られる3人の男性は,金版と,モルモン書に関連する出土品を見せられました。モルモン書のどの版にも掲載されている証の中で,この証人たちは神の天使に会って金版を見せられ,「主の声」によってこれらのことを証するように命じられたと宣言しています(「三人の証人の証」『モルモン書』,「福音ライブラリー」)。
Composite image of David Whitmer, Oliver Cowdery, and Martin Harris.
三人の証人(左から右):オリバー・カウドリ,デビッド・ホイットマー,マーティン・ハリス。
その後間もなく,ニューヨーク州マンチェスターのスミス家の農場の近くで,さらに8人の証人に,ジョセフ・スミスが版を見せました。
Plague of Joseph Smith showing plates to eight witnesses of the Book of Mormon.
八人の証人に版を見せるジョセフ・スミス。アヴァード・フェアバンクス画
また,1829年6月,啓示によりオリバー・カウドリは「記されているものに頼〔る〕」ように,特にモルモン書の中でニーファイ人の中にあった教会について論じている部分に頼るように,と指示されました(教義と聖約18:3)。2それにこたえてオリバーは,モルモン書の原稿の事細かな見直しを始め,「オリバーが神の教会を築くべき方法とその様式—神からオリバーに与えられた戒め」と呼ぶ文書をまとめました。この文書は,後に「キリストの教会の信条」と改題され,おもにニーファイ人の教会を基盤とした教会の管理の概要を説明するものとなりました。3最終的にジョセフ・スミスによってキリスト教会の「規定と聖約」(教義と聖約第20章の前書き)として改訂されたこの文書は,別の啓示によって「この地上にもう一度〔キリスト〕の教会を組織し始めるべき具体的な日取りも指示された」4ために,保留になりました。「規定と聖約」の完成に伴い,教会を組織する前に行うべきことは,モルモン書の出版だけになりました。
3月26日にモルモン書が出版された後,教会を組織するための集会が計画されました。4月6日の会議の議事録は残っていませんが,出席者の何人かは,会議の概要が詳細に分かる記録を残しています。開会の祈りの後,ジョセフとオリバーは,それぞれ教会の第一,第二の長老として,また教師として,そこに集まった会員たちから支持されました。ジョセフとオリバーは,支持を受けると,交代で互いを長老に聖任しました。そして,聖餐を配り,すでにバプテスマを受けた会員を確認し,聖霊の賜物を授けたのです。

確認の儀式が終わると,ジョセフは集まった人たちの前に立ち,現在教義と聖約第21章にある啓示を口述しました。この啓示が授けられると,ジョセフとオリバーはその場にいた数人の男性を神権の様々な職に聖任し,「聖霊の力と祝福を自ら見,また感じて,幸せなひとときを過ごした後,わたしたちは今や自分たちがそれぞれ神に認められた『イエス・キリストの教会』の会員であることを喜びながら解散しました。わたしたちは,……命令と啓示に従って……組織された,イエス・キリストの教会の会員となった」とジョセフ・スミスは後に記しています。5
4月6日から6月9日にかけて,ジョセフ・スミスたちは同じような集会をニューヨーク州マンチェスターとコールズビルで開き,教会の支部をほかにも組織しました。1830年6月9日,ニューヨーク州フェイエットにあるホイットマーの家で開かれた教会の最初の大会において,オリバーとジョセフが作成し教会の管理方法を概説した,キリスト教会の「規定と聖約」という文書が提示されて,会員の賛同を得ました。6
  1. Joseph Smith, in History, 1838–1856, [Manuscript History of the Church], volume A-1 [23 December 1805–30 August 1834], 28, josephsmithpapers.org
  2. Joseph Smith Papers, in Historical Introduction to Revelation, June 1829–B [D&C 18], 34, josephsmithpapers.org
  3. Michael Hubbard McKay, Sacred Space: Exploring the Birthplace of Mormonism, (Provo and Salt Lake City: Religious Studies Center, Brigham Young University and Deseret Book, 2016).
  4. Joseph Smith, in History, 1838–1856, [Manuscript History of the Church], volume A-1 [23 December 1805–30 August 1834], 29, josephsmithpapers.org
  5. Joseph Smith, in History, 1838–1856, [Manuscript History of the Church], volume A-1 [23 December 1805–30 August 1834], 38, josephsmithpapers.org
  6. See Joseph Smith Papers, in Historical Introduction, “Articles and Covenants, circa April 1830 [D&C 20]”, josephsmithpapers.org